試合レポート

大阪桐蔭vs関大北陽

2016.05.14

6回までノーヒットピッチング

大阪桐蔭vs関大北陽 | 高校野球ドットコム

5安打1失点の大阪桐蔭・香川麗爾

 1回に1番・中山遥斗(3年)の先頭打者本塁打で先制した大阪桐蔭、3回にも3番・吉澤一翔(3年)の2ランなどで点差を広げた。

 今大会初先発となった背番号11の香川麗爾(2年)は、関大北陽打線を6回までノーヒットに抑える見事なピッチング。7回に1点を与えたが、9回120球で被安打5の内容で完投。ライバル・履正社との決勝へ駒を進めた。

 「先週くらいから調子が上がっていたので、ある程度抑えられるかなと思っていましたが、予想以上でした」と西谷浩一監督が讃えたのが2年生右腕・香川のピッチングだ。本人も、「調子が良かったので、試合前の投球練習を30球くらいにとどめて万全の状態でマウンドに上がりました」と手応えを感じ、「思った所に8割から9割は投げられました。コントロールに自信が出てきました」と試合後に笑顔を見せた。

 今大会は本来のエース・高山優希(3年)が腰の状態に不安があり、ベンチを外れている。同じ3年生の左腕・岩本悠生も故障から回復しておらず、経験では1年夏からベンチ入りしてきた香川が一番。しかし背番号1は同じ2年生の徳山壮磨がつけ、少しずつ結果を残してきた。それだけに、この準決勝でもらった先発のチャンスで指揮官の期待に応えたかった。「ノーヒットだったのは、5回くらいにスコアボードを見て気付きました。でも7回に先頭打者に四球を与えてから失点した。そこは課題です」とこの日のピッチングに100%の満足はしていない。4月から新1年生が入り、「良い選手がたくさんいるので刺激になる」とマウンドを懸けた競争も激しくなっている。

 決勝の相手は履正社。4季連続の対戦に、この日の準決勝で登板がなかった徳山ら他の投手も燃えている。「意識し合うゲームになる。しっかり組んで、(夏へ向けて)勉強をしたい」と指揮官も力を込めるコメントを発した。

 一方、完敗に終わった関大北陽の辻本忠監督は、「ホームランは仕方がない。その後の失点が痛かった」と、3回に吉澤の2ランの後に、4番・三井健右(3年)と5番・福井章吾(2年)の連打で失った4点目を悔やんだ。エースナンバーを付けた清水寛(3年)は大阪桐蔭打線を6安打に抑えただけに、勝負の流れに繋がる失点の仕方が課題として明確になった。さらに、「このクラスの投手を打てるようにならないと」とベスト4以上の戦いでの得点力が課題と言える。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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