前橋育英vs鷲宮
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前橋育英・池田投手(苦しいマウンドだった)
打撃戦
両チーム合わせてヒット27本、激しい打撃戦を前橋育英が制した。
10安打6失点で完投したエース・池田悠紀(2年)は試合終了の瞬間、何ともいえない表情をしていた。
「リズムが悪く、自分のピッチングができなかった。いつものフォームではなかったのかもしれません」と振り返った池田。
味方打線が奮起して点を取ってくれたが、その都度に失点し苦しんだ。それでも勝ちに結びつけられたのは、連打を一度しか許さなかったことと、被安打10が全て短打だったこと。
本人は「四球が多い」と話したが、それも3つだけ。まさに悪いなりに粘り抜いたピッチングだったと言える。
池田はピッチングで悪かった分、バッティングで気を吐いた。
「普段は7番か8番だったので5番はビックリした」という池田は、初回に失点したが、その裏に自らの一打で同点。
結局4安打を放ったことが、ピッチングで最後まで崩れなかった要因だったのかもしれない。
加えて4回裏の4番・牛崎洸太(2年)が放った3ランに「あれが助かった」と大いに勇気づけられた。
「4番としての働きができてよかった」と苦しむエースを援護できたことを喜んだ牛崎。
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前橋育英・牛崎選手(4回裏、勝ち越しの3ラン)
その後も失点はするが、その度に突き放してくれた打線。5回までで12安打を放ち、鷲宮のエース・栗田拓実(2年)をノックアウト。
6回には2番手の増渕雅也(2年)からも2点をもぎ取った。
苦しんでいた池田も7回以降は何とか立ち直る。
「(ピッチャーは)俺しかいないというと思って投げていました」と強い気持ちが蘇ったことを強調した池田。
こういう流れでも直球とスライダーしか使っていなかったそうだ。
その池田について荒井直樹監督は
「(打たれたのは)ちょっとしたことだと思います。エンドランを仕掛けてきた相手に焦ったりしていつものピッチングができていなかった」と分析した。
この日のピッチングから真価が問われるのが連投となる準々決勝。
夏準優勝の東海大相模が相手となる。
(文・撮影=松倉 雄太)