龍谷vs秀岳館
![龍谷vs秀岳館 | 高校野球ドットコム](/images/report/zenkoku/20101024002/photo01.jpg)
雨の降りしきる中の試合
好ゲームの決着は明日へ
試合には流れがある。はっきりと目に見えないが、試合を左右するプレーひとつで一気に形勢が逆転する。これまで甲子園を含め幾多の場面で何度となく繰り返されドラマを生んできた。行きつ戻りつを繰り返すその流れをいかにつかめるか。
「雨は予想していたので、何とか早いイニングで1点が欲しかった」と秀岳館•久木田監督の言葉通り。天候に不安のあるなか始まったこの試合。
1回裏、龍谷•古賀の立ち上がりを攻め1番園田、2番橋本がヒット、四球で出塁する。しかし、3番白井がファーストゴロ。4番緒方、4番善積が連続三振に倒れ、絶好の先制のチャンスを逃した。「古賀君のスライダーが聞いていた以上に良かった。初球から狙わせたが、ちょっと各打者が消極的になった」と久木田監督は一気に流れを掴めなかった攻撃を悔んだ。
一方、2回表、龍谷5番•水田が無死からレフト前ヒットで出塁する。送りバントで2塁に進め、7番陣内がセンター前に運びチャンスをつくる。ここで秀岳館•鈴木がワイルドピッチで、それぞれ進塁。8番砥川がショート左へのゴロを放つ。3走の水田のスタートが遅れるが本塁へ走る。
これを秀岳館ショート橋本が落ち着いて本塁へ好送球。本塁でタッチアウトとなった。続くチャンスに田中も凡退し、同じく龍谷も流れを引き寄せられない。
![龍谷vs秀岳館 | 高校野球ドットコム](/images/report/zenkoku/20101024002/photo02.jpg)
鈴木投手(秀岳館)
秀岳館は3回にも無死から9番中山が右中間に2塁打を放ち1死3塁と流れをつかみかかった。だが、2番橋本が三振。続く3番白井は、左打席からレフト前に流し打つ。この打球を龍谷レフトの田中が懸命に前進し落ちそうなライナーを好補。
つかみかかった流れが遠のく。
その後、両チームとも走者をだすものの、古賀、鈴木の粘りの投球の前に無得点で進んだ試合は、試合序盤から降り出した雨が7回に強くなり30分の中断。その後も降り続けノーゲームとなった。
「終盤いい形ができていたので残念。速い球には自信があり振れている」と龍谷の選手が自信を見せる一方で、秀岳館も「いい練習が出来た。対策がたてられる」と明日の再試合へ向けて、気持ちを切り替える。
流れを掴んでいたチームが次の試合にはつかめず勝っていた試合を落とすこともままある。そんな降雨ノーゲーム、再試合はこれまで多くのドラマを生んできた。この試合どちらも掴めずにいた流れ。果たして先に掴むのはどちらのチームか
(文=藤吉 ミチオ)