明徳義塾vs松山商
![明徳義塾vs松山商 | 高校野球ドットコム](/images/report/zenkoku/20101023013/photo01.jpg)
マウンドに集まる松山商ナイン
残念な「後退」。松山商の秋季四国大会は初戦敗退
秋季四国大会2日前。松山商・重澤和史監督は練習後に行ったミーティングで、選手たちに明徳義塾戦への心構えを説いた。
その内容とは「過度に明徳義塾を意識しないように。4番の北川(倫太郎・2年)に対してもボール、ボールになってストライクを入れざるを入れざるをえないようになったら最悪ぞ(伊予弁で「最悪だぞ」の意味)」というものだった。
しかし7回コールド負けという結果で終わった試合を分析すれば、やはり彼らは「明徳義塾を意識しすぎていた」としかいえない課題を多く残すことに。
その最たるものは初回1死満塁での相手5番・大西輝幸が打ったショートゴロを「後退」して受けたことにより、併殺崩れとなったシーンである。
普段の練習では「エラーしてもいいから、前に出て取れ」と指示を受けているにもかかわらず、相手を尊重し大事にアウトをとりに行き過ぎて先制点を許したチームの動揺は、その直後の失策、そして7番・中平亜斗務(2年)の2点タイムリーによる計4失点という、取り返すことが極めて困難なビハインドとなって返ってくることになってしまった。
ただしそれは裏を返せば、夢舞台を目指す秋季四国大会でなければ体感できなかったこと。
特に緊張感で体が硬いと見るやアップの時間を通常の3倍にのばし、「堀田(晃・1年)くんはインコースにいいボールを持っているので、ベースにつくような感じで立ってインコースを投げにくくさせ、アウトコースを狙うように指示を出した」(馬淵史郎監督)明徳義塾の勝負に賭ける情念は、彼らが今後目指す松商スタイルのベースとなる部分であろう。
試合後は「自分も含めて力不足を感じた。ここから冬のすごし方が大事になる」と再起を誓った松山商・重澤監督。
この日の「後退」を「後退」のままで終わらせるか、それとも「前進」に転換できるかは、これから彼らが練習のみならず一日24時間の中で、何をなすべきかにかかっている。