日大三vs国学院久我山
![日大三vs国学院久我山 | 高校野球ドットコム](/images/report/tokyo/20101024001/photo01.jpg)
先頭打者ホームランを放った1番高山(日大三)
9年ぶり日大三が優勝!センバツへ
強豪校が大会序盤で姿を消す波乱の東京大会も、いよいよ決勝戦を迎えた。
優勝校がセンバツ出場確実となるが、戦いぶりによっては敗れた方にもセンバツ出場の望みは残る。
優勝の行方だけではなく、その内容にも注目が集まった。
土曜日の準決勝は両校正反対の内容だった。
日大三はエース吉永健太朗を温存し、横尾俊建のホームラン2本と集中打でコールド勝ち。決勝戦ではその吉永が先発。準備万端で臨んだ。
一方の国学院久我山は前日の準決勝でエース川口が延長10回を完投し、今日の決勝には背番号11の関橋が先発のマウンドに上がった。
準決勝から連戦となる決勝戦、投手陣のやりくりが勝敗を分ける可能性は高い。
しかもホームランになりやすい神宮第二球場で、強打の日大三が相手となるとなおさらだ。
国学院久我山は初回からブルペンで川口が準備をしながら試合が始まった。
試合は初回に日大三が1番高山の先頭打者ホームランで先制。
昨日の準決勝コールド勝ちをしているだけに、このいきなりのホームランに試合の行く末を案じた人も多かっただろう。
しかしその後日大三は力みのあった打線が凡飛を重ねた。
一方、国学院久我山は立ち上がり制球に苦しんだ吉永を相手に毎回ランナーを3塁まで進めてチャンスを作るも、あと1本が出ず1点差を埋められないまま試合が進んだ。
序盤のピンチを凌ぎ中盤からは好投を見せ始めた日大三の吉永は5回まで国学院久我山を2安打に抑えていた。
反撃したい国学院久我山は6回表、2死から4番木村がセンター前ヒットで出塁。
続く打者は準決勝まで打っていた8番から打順を上げて5番に座った新居。
この日も1打席目でセンター前ヒット、2打席目で左中間2ベースヒットを放ち吉永を確実に捕らえていた。
ここで新居は期待に応える3打席連続のヒットとなる当りをライト線へ放ち1塁ランナーの木村は一気にホームを目指した。
しかし守る日大三はライト高山・セカンド菅沼の中継でホームでアウト。国学院久我山はホームが遠い。
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5安打完封の吉永(日大三)
一方、このピンチを防いだ日大三は6回裏の攻撃で2死3塁から国学院久我山のエラーの間に2点目を入れた。
こうなるともう1点もやれない7回から国学院久我山は初回のホームランを打たれながらも力投を見せていた関橋に変えてエース川口がマウンドに。
しかし連投の疲れか川口がピリッとしない。押し出しを含む3四球、タイムリー内野安打を含む2本の内野安打でこの回に2点追加され、4対0とその差を広げられた。
今日の吉永は4点あれば十分だった。
このまま試合は4対0で日大三が国学院久我山を下し、ゲームセット。
9年ぶりに秋季大会優勝を果たした。
善戦を見せながらも敗れた国学院久我山は、1年生バッテリー等経験の浅い新チームで決勝にまで昇りつめてきた。
攻撃ではエンドランや盗塁など果敢に攻めたものの、得点に至らず。
競り合いの中でみせたわずかな隙から1点差の均衡を破らせてしまったが、この経験がさらにチームを大きくするだろう。
一方、日大三はわずか4安打だったが、吉永が立ち上がりに苦しみながらも終わってみれば5安打完封、10奪三振と貫禄のピッチング。
日大三はこれで来春のセンバツへの出場を確実にした。
今春のセンバツで全国に強力打線の印象を強く残し準優勝したものの、夏の西東京大会の準決勝で日大鶴ヶ丘に延長14回の激闘の末敗れた悔しさを経験。
そのメンバーが多く残る日大三なだけに、全国制覇の文字が早くからスタンドに掲げられその想いは一際強いだろう。
まずは神宮大会でその実力を示してきて欲しい。
(文=高校野球情報.com編集部)