京都成章vs智弁学園
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勝利に笑顔の京都成章バッテリー
勝敗を分けた準備と確認
準備と確認――。
高校野球におけるミスは、これらを欠いた場合に起こりやすい。
わかっているだろう。
言わなくても大丈夫だろう。
そう思っているときに限って起こるのが、この2つに関連するミスだ。
この日も、大事な場面でそれが出た。
2対2で迎えた7回裏、京都成章の攻撃。
無死から安打で出た柳尾拓を犠打で送った1死二塁の場面で、9番の竹内はファーストへの平凡なゴロを放った。
一塁手の中道が難なく捕球し、2死――。
と思った瞬間、中道は一塁ベースを踏まずに三塁へ送球した。
送球はやや弱く、二塁走者の柳尾拓は三塁へ。打者走者の竹内も一塁に生きて一、三塁となった。
そして、1番の宮本がライトへの飛球。
浅めで、充分に刺せる範囲だったが、ライトからのワンバウンドの返球を捕手の竹島が後逸して柳尾拓が生還。
結果的に、これが決勝点となった。
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智辯学園 青山大紀投手
中道が一塁キャンバスを踏んでいれば2死三塁。
ベースが2つ空いているため、次の3人のうち、1人をアウトに取ればいい。
しかも、この日の1~3番は3人合わせて11打数1安打1死球(犠牲フライはアウトに含む)。それを考えても、無理して三塁へ送球する必要はなかった。
試合後、小坂監督はこのプレーについてこうふりかえった。
「あそこで三塁を狙うプレーは練習しています。狙いたい気持ちはわかるんですけど、あれで外野フライでいいという場面を作ってしまいましたからね・・・・・・。徹底が・・・・・・」
エースの青山にもダメージは大きかった。
「あれで周りのことが考えられなくなった」。
この場面では、無理して二塁走者を殺しにいく必要はない。
それを事前に確認していなかった。
理由はもちろん、「わかっているはずだから」。
中道がファーストゴロを捕った時点で、三塁に投げることを予想したのは、智弁学園ベンチだけでなく、スタンドにもほとんどいなかった。