鹿児島実vs九州国際大付
九州国際大付属 三好匠投手
通過点
逆転で敗れ、秋初優勝がならなかった九州国際大付属。
若生正廣監督は｢三好匠(２年)は４連投の中良く投げたが、最後は球威が落ちてしまっていた。
打線も最初に点を取っていけるかと思ったが、相手の野田君がうまいピッチングをしましたね｣と完敗に肩を落とした。
来春へ向けての課題を問われると、｢三好に次ぐ投手を育てることと、守備ですね｣と答えた若生監督。
三好が４連投したように代わる力を持つ投手がいないのが現状。
そして、決勝でも考えられないミスが出た守備の拙さが九州ＮＯ１を取れなかった要因だ。
その考えられないミスの一端が主将であり捕手の高城俊人(２年)。
１点を追う９回表の守りだった。１死２、３塁から鹿児島実３番の豊住康太が放った打球はショートゴロ。
ショートの北川竜也(２年)は高城へ送球するが、追いタッチになって間一髪セーフ。
ところが、高城はタッチをしたというアピールを球審にする間に打者走者の豊住は楽々と二塁まで到達した。
九州国際大付属 マウンドに集まる
｢アピールなんてプレーが途切れてからできるものを｣とインプレーなのを忘れてしまった失態に若生監督は激怒。ベンチに戻ってきた高城を叱責した。
｢３点目を取られるとまずいと思っていた。タッチをした感触があったのでアピールしたのですが、冷静さを欠いていました｣と高城は試合後に項垂れた。
｢審判の判定が絶対だということをわかっていない。(私も)長いことやっていますが、アウトやセーフでアピールして判定が覆ったのは見たことがない｣と指揮官はまくし立てた。
１点をリードされていて次の失点はどうしても避けたい意識が働くのは、わかる。ただ、少し熱くなりすぎてしまった。
高城は｢あれだけ冷静差を欠いたのは初めて｣と話したが、前日(波佐見戦(2010年10月29日))でも、三本間で挟まれた走者のスリーフィートオーバーにアピールし納得いかない表情をしていた。
チームの要である捕手でしかも主将が熱くなると、チームにも悪影響だ。ましてスタメンに１年生が５人と若いチーム。高城主将は｢大きな課題は守備｣と話したが、ただ単に守備を強化するのではなく、こういった状況判断も今後の課題となってくるだろう。
（文・撮影＝松倉 雄太）
