試合レポート

東北vs光星学院

2010.10.16

2010年10月08日 YZタカミヤホテルズスタジアム

東北vs光星学院

2010年秋の大会 第63回秋季東北大会 決勝戦

一覧へ戻る

秋田教良(光星学院)

初回で勝負は決まった

 1回表、光星学院の守備が終わり、ナインはベンチに戻る。同時に光星学院・仲井宗基監督はエース・秋田教良(2年)に激怒。その理由を試合後に尋ねた。
「ミーティングしたことをやってやられたならいい。ミーティングしたことと違うことをやったのできつく言いました。2死から長打はやっちゃいけないことだけど、それはあること。でも、2死2塁で1塁が空いていて(東北の)上村君に回った。歩かせろ、勝負をするなといていたのに、打たれたことがいけない」。

 東北チャンピオンを決める決勝戦。下馬評では光星学院が上をいっていた。それが1回表、東北が先制パンチを食らわせた。1死から2番・夷塚圭汰(1年)が内野安打で出塁。3番・斎藤圭吾(1年)は三振に倒れたが、4番・小川裕人(2年)の左中間へのタイムリー2塁打で先制点を奪った。

仲井監督が指摘したのは次の場面。2死2塁で5番・上村健人(2年)。
秋田も「上村君を一番、警戒していた」という。しかし、「敬遠も頭にありましたが、勝負しました」。

その結果、「キャッチャーと広くいこうと話して、スライダーを選択しました。でも、内側に入ってしまった」。左中間を真っ二つに割られ、追加点を奪われた。

「監督さんにピンチは歩かせろと言われていたけど、自分の甘さが出てしまいました」と秋田。

上村とはシニア時代から対戦があった。中学3年の夏の全国大会の2回戦で激突し、敗れた。高校でも練習試合で敗戦。「今日は負けたくなかった」という。

何故、勝負を選択したのか。何故、「甘さ」が出たのか。「負けたくない」気持ちが「歩かせる」=「逃げ」という考えになったのではないか。その問いに秋田は答えられなかった。質問を変えて、課題を聞いた。「コントロールをよくしていかないといけないと思う。コントロールを意識した練習をしたいです」。抜けてしまったスライダーへの後悔が表れている。

光星学院は打力があり、秋田も投手としての能力が高い。それだけに、大事な場面での選択肢ミスが悔やまれる。ボールの質の向上ももちろんだが、投手としての感性が磨かれれば、ほぼ手中にしている来春のセンバツで、光星学院として初の初戦突破、そして目標に掲げられている「全国制覇」に近づくはずだ。

(文=高橋昌江

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.25

まさかの7回コールドで敗戦...滋賀大会6連覇を目指した近江が準決勝で涙【2024夏の甲子園】

2024.07.25

【ポニー】春夏連覇を阻止して初優勝!筑後リバーズが夏の日本一に輝く

2024.07.26

新潟産大附が歓喜の甲子園初出場!帝京長岡・プロ注目右腕攻略に成功【2024夏の甲子園】

2024.07.26

報徳学園が3点差をひっくり返す!サヨナラ勝ちで春夏連続甲子園に王手!【2024夏の甲子園】

2024.07.25

センバツ覇者・健大高崎が決勝進出!天敵の前橋育英に6点差を追いつかれるも10年ぶり夏勝利!

2024.07.24

享栄、愛工大名電を破った名古屋たちばなの快進撃は準々決勝で終わる...名門・中京大中京に屈する

2024.07.25

まさかの7回コールドで敗戦...滋賀大会6連覇を目指した近江が準決勝で涙【2024夏の甲子園】

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」