北海vs北海道栄
![](/images/report/hokkaido/20101008001/photo01.jpg)
佐藤佑樹(北海道栄)
難しい追い上げ・・・
北海道栄の2投手が北海打線に打たれたヒットはわずかに2本。しかし、1回に失った2点をとうとう取り返すことができなかった。
先発は、前日の稚内大谷戦で15三振を奪ったエースの若林篤志(2年)ではなく、同じ左腕の佐藤佑樹(2年)
だった。
だが、その佐藤佑の立ち上がりが誤算。コントロールが安定せずボール先行。1死をとったが、2つの四球と送りバントで2死1、3塁のピンチを背負った。ここで北海の5番多間泰介(2年)が三遊間を破るタイムリー。先取点は北海に入った。
佐藤佑は続く6番玉木昂太(2年)を簡単に追いこむが、ファウルで粘られ結局四球を与える。そして7番氏家峻(2年)に対し、ストライクが入らずストレートで押し出しの四球を与えて2点目も失ってしまった。
立ち上がりに失点した佐藤佑。それでも2回以降はコントロールに苦しみながらも、持ち味のテンポの良いピッチングを取り戻して立ち直った。
打線は北海の1年生エース・玉熊将一を攻め立て、毎回のようにチャンスを作る。
4回表、9番佐藤秀哉(2年)のタイムリーで1点を返した。「普段打たない選手が打ったので、これで乗ると思った」と渡辺伸一監督。
流れは完全に北海道栄。しかし、同点となる2点目が取りきれない。5回には無死2、3塁のチャンスをものにできなかった。
渡辺監督は6回途中からエース若林を投入、ヒット1本に抑える好投を見せる。だがゲームは進み、気がつけば9回になっていた。
![](/images/report/hokkaido/20101008001/photo02.jpg)
玉熊将一投手(北海)
9回表、先頭の佐藤秀が死球で出塁。続く1番石塚悠人(2年)がきっちり送り、2番鈴木一生のレフト前ヒットで1、3塁。「(北海の)玉熊君の球が浮いてきていた」と渡辺監督は同点、逆転への好機と考えていた。
そんな渡辺監督の期待を打ち砕いたのは北海の1年生エース。3番の川瀬尚秀(1年)は浅いセンターフライで、走者はタッチアップできず。4番蜂谷由朗は強い打球を放ったがショート正面へ。二塁ベースを踏んで試合は終わった。
結局1点を追い切れずに敗れた北海道栄。渡辺監督は「立ち上がりの押し出しが悔やまれる。ああいう形での失点を取り返すのは難しいですね」と肩を落とした。
一方、逃げ切った北海の平川敦監督は「相手の投手が良く、打てないのは覚悟していた。後半はこの1点を守りきるしかなかった」と1年生エースと支えた守備陣を讃えた。玉熊が奪った三振がわずか1個だったのがこの試合を物語っている。
(文・撮影=松倉雄太)