試合レポート

三重vs菰野

2010.10.06

2010年10月03日 四日市市霞ヶ浦球場

三重vs菰野

2010年秋の大会 第63回秋季東海地区高校野球 三重県大会 準決勝

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三浦浩太郎(三重)

三重高自慢の打線が爆発!4年連続秋季東海大会へ

夏の大会準々決勝でも顔を合わせている菰野×三重の一戦は、大方の予想に反してワンサイドゲームとなった。
19安打10得点の猛攻で三重が7回コールド勝ち。
夏に菰野に0-1で敗れた雪辱を果たすとともに、4年連続26回目の秋季東海大会進出を決めた。

序盤の3回を終えて0-0。ところが4回表、三重の打線が爆発した。
道貝真之、古市賢也の連続ヒットを足掛かりに、敵失や犠飛で2点を先制すると、2死からの5連打でさらに4点を追加。
その後も打線は勢いを失わず、5回表に3連打、6回表には4連打でそれぞれ2点を挙げ、終わってみれば7イニングスで計19安打10得点。気持ちいいほど打線がつながった。

「相手投手の状態が悪くて、打てるかもという気はしていました。ここ2試合、打てない試合が続いていたので、たまには打ってもらわないと」と三重・沖田展男監督は平然とした口調だが、新チーム発足時から打線に自信を持っているだけに、チームの特色が前面に出た勝利に納得の表情。

「(相手投手の配球で)ストレートは2球続かないぞ」と傾向を選手に伝え、選手も来た球をしっかりと振った。

公式戦初先発で初完投勝利を飾ったのが、沖田監督が「秘密兵器」と称した1年生の三浦浩太郎だ。
前日までは救援役に徹していたが、この日のために沖田監督が温めていた先発起用プランに応えた。
「緊張と不安がありましたが、いつも以上に球は走っていました。先輩たちが夏に菰野にやられたので、その仇討ちができました」。
この日は立ち上がりから好調で、序盤の3回は無安打無四球。味方の猛攻へとつなげた。
中学時代はヤングリーグの三重ゼッツに所属し、昨年8月にはIBAF(国際野球連盟)が主催する世界少年野球(AA)選手権大会の日本代表として、台湾遠征も経験した。
パワーを内に溜めたようなフォームから、体のバネが弾けて伸びのあるストレートとスライダーを投げる。


方田健斗(菰野)

沖田監督が08年春に監督に就任して以降、三重は秋季県大会で優勝続き。「他県の1位校と東海大会2回戦で当たらないためにも、県大会は1位で通過したい」と、今年も手綱を緩める気配はない。
新チームで毎年好成績を残す沖田監督の手腕にも注目だ。

前日に宇治山田商との接戦を制した菰野は、エース方田健斗が本調子から程遠く、4回表に崩れた。この日の方田はことごとく球が高かった。高めに浮いた威力の無い変化球を、相手打線に痛打された。

菰野のコーチによれば、「前日に9イニングスを投げての連投は、多分本人、初めてなんですよ」とのこと。まだ高校2年生。完投翌日の連投が初めてなら、体が思うように動かないのも致し方ないところだ。

それでも方田はバットで一矢報いた。5回裏に今大会3本目となるホームランをレフトスタンドへ放り込んだ。
打った瞬間に入ったと分かるハーフライナー。
投も魅力的だが、打もレベルが違う。この一発を見られただけでも、今日来た甲斐があった。

菰野は9日、4年振り4回目の秋季東海大会出場をかけて白子との3位決定戦に臨む。

(文=尾関 雄一朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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