北照vs駒大岩見沢
2010年10月11日 札幌円山球場
北照vs駒大岩見沢
2010年秋の大会 第63回秋季北海道大会 準決勝
９回、チーム４本目となるホームランを放つ小林(北照)
攻めの姿勢で圧倒！
北照と駒大岩見沢。昨秋の準決勝でも対戦(2009年10月10日)した両校が再び相まみえた。
北照には今野京祐(１年)、駒大岩見沢には宮澤泰年(２年)とお互い好投手を擁するため、試合前の予測は投手戦。ところが試合はまったく逆、６本の本塁打が飛び出す空中戦となった。
試合前のじゃんけん。勝った北照の大野雅也主将(２年)は迷わず先攻を取った。｢支部予選では(勝ったら)後攻だったけど、全道大会では先攻を取るようにしています｣。
その理由は『攻めの姿勢』だ。昨秋の対決でも１回に先取点を奪っている。この日も１回表がポイントだった。
先にマウンドに上がることになったのは駒大岩見沢の宮澤。１点を争うゲームになると見ていたのだろう。絶対に先取点を与えたくない意識が、仕草に出てしまった。それが１死１塁、打席に３番大野という場面である。初球を投げる前からしきりに走者の石田純平(２年)を気にする宮澤。
牽制球を何度も投げた。しかしカウント２－３で迎えた６球目の前、牽制球が悪送球となった。石田は楽々と二塁へ進む。そして大野には痛い四球。意識しすぎたばかりにピンチを広げてしまった宮澤に対し、北照打線は一気に襲いかかった。
４番小林英太郎(１年)、５番黒田健仁(２年)の連続タイムリー二塁打。ここまで３試合で失点１の宮澤から、北照はあっさりと２点を先制した。
ところが北照の今野も調子が今ひとつ。その裏２人の走者を背負うと、４番小鹿健斗(２年)の三塁打で試合は振り出しに。宮澤にとっては、大いに勇気づけられる女房役の同点打になったはずだ。
しかし２回にも相手打線に捕まった宮澤。１死から走者を背負うと、再び牽制が多くなった。１、２塁となり、１番伊藤陽一(２年)がレフトスタンドへ今大会第１号となる３ラン。
和田悠作投手(駒大岩見沢)
ここで駒大岩見沢の佐々木達也監督は宮澤を諦めて、１年生右腕・和田悠作をマウンドに送る。センターに回った宮澤。安定感抜群だった大黒柱の序盤ＫＯはベンチにとっては予想外だった。
代わった和田も２番石田に四球を与えると、３番大野に一発を浴びた。
スコアボード２回表に大きく見える『５』点の文字。
この後は駒大岩見沢も今野を打ち崩して追い上げる。しかし、先に点を取った強みがある北照は、その度に突き放した。
５回途中から宮澤が再びマウンドに上がるも、北照の攻めを止めることはできなかった。
終盤は立ち直った今野に対しなす術がなくなった駒大岩見沢打線。６点差の８回、無死１塁の場面での送りバントは何を意味していたのだろうか。
先攻を取って、相手投手に対して攻めの姿勢を見せた北照。背負った走者に気を使いすぎた駒大岩見沢。今秋の対戦は大きな差がついた気がした。
（文・撮影＝松倉雄太）
