丸亀城西vs高松北
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丸亀城西・橋野純監督
名将の老獪な采配で、丸亀城西・4年ぶり四国へ王手!
「ウチなりには調整はできたし、天候もいいので思い切ってできればと思ったが、選手たちは力を発揮してくれた」
2回途中でノーゲームに終わった10月3日の同カードをはさみ、実に2週間ぶりとなった試合を終えた丸亀城西・橋野純監督の表情は、試合中と同じように穏やかそのものであった。
それもそのはず。監督は現役時代には1963年(昭和38年)、丸亀城西の前身・丸亀商の夏初出場時には1年生にして早くも背番号「13」を付けベンチ入りを果たしたエリート外野手。
指揮官としても母校を春6回(1977・1980・1981・1982・1984・1986年)、夏2回(1974・2005年)甲子園に導き、1980年春の第57回大会ではベスト4。
さらに観音寺中央を率いて春夏連続出場をはたした1995年には第67回センバツで初出場初優勝の快挙を成し遂げている高校野球界きっての名将だからだ。
昨年1月から総監督、そして昨年11月から通算3度目となる母校監督に就任した橋野監督。
その百戦錬磨の采配は、この日、高松北を圧倒した。「今週の練習で調子がよかった」と先発に抜擢した8番・根来要二塁手(2年)は2回表・2点目を奪う右中間2塁打で一挙5点の先制攻撃に貢献。同じく先発抜擢された5番・土田渉吾右翼手(2年)も、5回・2点を失った直後の2点タイムリーヒットで勝利を大きく引き寄せた。
また、「むらがない投球ができる」と監督の評価も高い185cm71kgの長身右腕の宮武大地(2年)も、最速129キロながら低目を外さないコントロールピッチで3失点完投。
土田の2点タイムリーにつながった5回表の中継ミスなど、勝負どころで試合経験の乏しさが出た高松北に助けられた面もあったが、小さな穴を決して逃さない試合運びは、新チーム初戦と思えないどっしりとした落ち着きをはなっていた。
「手ごたえは全然。寒川と戦えるまで勝ち上がってこられてありがたい」と試合後、記者たちの前では終始無欲の姿勢と選手たちへの感謝を強調した橋野監督。
だが、今年で62歳を迎えるとは思えないかくしゃくとした名その采配は、4年ぶり19回目の秋季四国大会出場、そして2005年(平成17年)夏以来の甲子園を目指す丸亀城西にとってやはり絶対不可欠である。
(文=寺下 友徳)