試合レポート

沖縄尚学vs宮古

2010.10.04

2010年10月03日 セルラースタジアム那覇

沖縄尚学vs宮古

2010年秋の大会 秋季沖縄県大会 準決勝

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試合シーン

出なかったあと一本と出てしまったミス

沖縄は離島県であるが温暖な気候で1年中野球が出来る環境で、プロ野球のキャンプなども行われるようになり元々の野球熱の高さもあって、今では全国を見ても十分に強豪県といわれ離島県というハンデを感じさせなくなった。

しかし、八重山宮古は離島というハンデを感じさせ、なかなか県大会でも結果を残せない時期が続いた。
転機となったのはあの八重山商工の甲子園出場である。それ以来八重山勢は県大会でも上位に進出するのが当たり前のようになった。
今春の大会でも4強に八重山八重山商工が入り、夏も八重山がベスト4に進出した。

その中でお隣の宮古島はなかなか思うような結果を残せなかった。
好投手・下地を擁した07夏もベスト8で中部商の壁に阻まれ、強力打線といわれた08年もその壁を乗り越えることが出来ずにいた。
しかし、今大会では準々決勝で八重山商工を破りその壁を越えベスト4に進出。

そして、九州大会行きを決める最後の壁は強豪・沖縄尚学である。

宮古の先発は平良。10番こそ着けてはいるがエース番号の平山と力の差は無く彼の好投があったからこそ今大会勝ち上がってこれたといっても過言ではない。
初回あっというまに二死とするが3番の新垣に上手くライト前に流され出塁を許すと4番の平安山に外低めの変化球を左中間を深々と破られるスリーベースを打たれ先制を許す。
続く5番の古謝にもセンター前へ運ばれもう1点を追加されてしまう。二死から沖縄尚学のクリーンナップに痛打され2点を先制されたのは大きかった。
2・3回も走者を出すがここで捕手の伊志嶺が素晴らしい肩を披露し盗塁を刺すなどしてチャンスを広げさせなかった。
しかし4回に2人続けて四球を与えて送られ1死2・3塁とされたが、ここで三塁走者が飛び出しているのを見逃さず再び伊志嶺が見事な送球で三塁走者を刺す。そして打者を落ちる球で空振り三振に取りバウンドしていたので僅かな可能性を求めて走っていた打者を一塁でアウトに取れば流れは一気に宮古へ傾く。そう思った瞬間その送球が高く外れてしまいまさかの失点をしてしまう。


試合シーン

あまりにも大事にしようとしすぎたのかもしれない。
バッテリーともに動揺があったのか続く打者にセンター前へ運ばれ更に1失点し0-4とされてしまう。この2失点がやはり後々まで大きく響いてしまった。また試合の流れという意味でもあのミスは痛い場面で出てしまったなと思う。

続く5回にもエース平山が登板するも、沖尚の流れを止められず再び平安山がスリーベースを放ち更に2点を追加され0-6。
7回には味方が1点を返した直後であったが先頭の打者をエラーで出塁を許し逆に1点を加えられ再び6点差としてしまった。
宮古は今日の試合で出た2つのエラーが痛いところで出てしまったなという印象だ。
3点目を許した悪送球、1点を返した直後のエラーと試合のポイントで出てしまい、波に乗ることが出来なかった。

逆に沖縄尚学はミスに卒なく加点し試合を優位に進めることが出来たといえる。やはり準決勝ともなると一つのミスが試合の流れ展開を大きく作用するものだ。宮古の選手は痛感したことだろう。この試合を教訓に次回に是非活かして欲しい。

沖縄尚学の先発は前日に続き名城。
今日は疲れもあったのか終始不安定さを感じさせる投球であった。
1~3回まで毎回得点圏に走者を背負う苦しい投球が続いた。しかし、不利なカウントになっても持ち直し相手に得点を許さない。
ここぞの集中力の高さはさすが沖尚の投手だと感じさせた。
試合中盤、4回5回と三者凡退に抑えリズムに乗ってきたが7回に先頭をヒットで出すとその後もヒットや四球で1死満塁にここでまさかの押し出し死球で1点を返される。
さらに迎えるは宮古の3番と4番。だが、ここで集中しなおし丁寧な投球でどちらもフライアウトに抑える。
しかしやはり疲労の色は隠せない。8回には1死後四球とヒットで出塁を許すと、その後も死球等で2死満塁となったところでエース番号を背負った與座へとスイッチ。


試合シーン

その與座が1番の下地にタイムリーを打たれ3-7とされる。
しかし後続を投ゴロに打ち取り更なる点を失うとは無かった。9回も宮古打線は粘り2死ながら満塁とするが與座は最後の打者を内野ゴロに打ち取り試合を締めた。

この試合で沖縄尚学の投手陣が許した被安打は9で四死球はなんと10である。
かなり苦しい投球でこそあったが緊迫した場面でも崩れない守備陣と投手は集中を切らさず投げることが出来ていた。
ただ、勝ったとはいえこの内容では九州を勝ち上がることは難しい。しっかりと疲れを抜きながらも調整して欲しい。

宮古は打撃ではあと一本が出ずに守備では痛いミスが出てしまった。この冬の間にそういった部分を修正していくことが大事になるだろう。
終盤の粘りなどを見ると十分に力があることはわかった。
ベスト8の壁を破ることは出来ただけに次のベスト4の壁を破るには今日出た脆さを強さに変えていかねばならない。
春の快進撃を期待して待ちたいと思う。

(文=PN 山原)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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