試合レポート

中京vs岐阜工

2010.09.26

2010年09月25日 長良川球場

中京vs岐阜工

2010年秋の大会 秋季岐阜県大会 3位決定戦

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宮地翔太(中京)

中京の本格派右腕が完封、東海大会切符つかむ

秋季岐阜大会は25日、[stadium]長良川球場[/stadium]で決勝と3位決定戦が行われた。決勝は大垣日大が岐阜一を4-2で下し、2年連続の優勝。3位決定戦では中京岐阜工を2-0で破った。大垣日大と岐阜一、3位を確保した中京は、来春のセンバツ甲子園へとつながる東海大会(三重県内3球場、10月23日開幕)に臨む。

中京の勝利の立役者は、完封勝利を挙げた先発右腕の宮地翔太だ。今秋からベンチ入りし背番号10をつける。185センチ、82キロと体格に恵まれ、今後に期待を持たせる豪腕ピッチャーだ。

自身でも「ストレートがウリ」と語るように、最速140キロとスピードが出ている。腕の角度がキマッたときのストレートは伸びも十分。ズバーンとファースト・ストライクを叩きつけてくる。

フォームは、本格派のムードを漂わせてゆっくりと振りかぶり、テークバックでは腰を折らず背筋を伸ばした状態を長くキープ。

筆者は準々決勝の加納戦でも宮地を観たが、そのときは重心が後ろに残りがちで、突っ立って投げているケースも見られた。
だがこの日は、ほどよく力みが抜けて、いい状態でマウンドを支配できたはず。内野ゴロを重ね、岐阜工打線を完封した。
単に上背があるからというのみならず、精神面でも打者を見下ろしたような投球で9回を投げ抜いた。

課題を挙げるとしたら、本格派投手に共通する課題ではあるが、時折の棒球とコントロールか。加納戦ではワンバウンド球、この日は高めに抜ける球がしばしばあった。東海大会までの1ヶ月間でこの辺が多少なりとも修正されれば、他県の強豪を相手にしても抑え込めるはずだ。


吉川尚輝(中京)

1年生ながら1番・ショートの吉川尚輝は、好守で魅せた。2回裏、高く弾んだ前方のゴロに猛ダッシュして、風のような動きで打球を処理し、矢のような一塁送球で打者をアウトに。あとは打撃が何とかなれば。

昨秋に比べガッチリしてきた4番の都築智也。準々決勝の加納戦では、振れば当たる、当たれば飛ぶ状態で右中間に長打を連発。この日も2打席連続四球の後で迎えた6回裏の第3打席で、貴重な追加点となる犠牲フライを放った。「自分は中距離打者タイプ。ランナーがいるときのバッティングがアピールポイント」と話すように、チャンスに強く頼りになるバッターだ。

岐阜工は、背番号9の1年生・下川紘弥が先発。
初回は立ち上がりの重圧のせいか、投げるのだけで精一杯な様子で、3連続四球で押し出しの先制点を許した。それでも2回以降は立ち直り、1年生にしてはまずまず球威のあるストレートとタテに沈むボールで、投手戦に持ち込んだ。気持ちの入った攻めの投球は見ごたえがあり、見事な敢闘ぶりだった。

野手では、夏はサードだった冨田大介が今秋からショートへ。中心選手らしいセンスを感じさせ、これで球際に強くなればもっといい選手になれる。

岐阜工は今夏の岐山戦で敗退した試合後、荻田重睦監督が「集中力に課題が…」と語っていたが、この新チームはそんなことを感じさせない、引き締まった雰囲気がありそうだ。9回表に2死満塁の好機を作ったが逆転できず、東海大会にあと一歩及ばなかったが、まずは県ベスト4という結果を残した。

(文=尾関 雄一朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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