熊本北vs牛深
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1年生エース古閑(熊本北)
1年生右腕の好投光った熊本北
ほんの一瞬、熊本北の背番号1が悔しそうな表情を浮かべた。
9回裏2死、完封まであと一人というところで牛深の6番・田川健悟に右前適時打を許し、スコアボードに並び続けた“0”が初めて“1”になった。
先発メンバーに右打者を8人並べる牛深に対し、一、二塁に飛んだ打球(ゴロ9、フライ2)が計11個、奪三振4。31打数ということを考えるどれだけストレートに威力があったかがわかるだろう。
しかも8回までの被安打4のうち、内野安打が1本、内野と外野の間にポテンと落ちる安打が2本。
熊本北の1年生エース・古閑啓祐が投げ込む威力あるストレートは、牛深打線を詰まらせた。
最終回は力が入ったのか。3安打と四球などで2死から1点を失ったが、それを忘れさせてくれるほど古閑の好投は光っていた。
筆者は、七城中学時代の古閑投手を見たことがある。その時の印象はズバリ“豪快”。
しかし、この日のピッチングをみて、中学時代よりも格段にピッチングの精度が上がっているように思えた。
「コントロールにバラつきがあったので、キレのあるタイプに修正しました」と同校の白石哲監督。
その言葉通り、豪快なイメージに加え、安定感が高まってきたようだ。
これで熊本北はベスト8進出。
次の準々決勝の相手は、今夏甲子園ベスト8に進出し、主力メンバーが数名残る強豪・九州学院。
今秋の九州大会は熊本開催のため、熊本からは4校が出場できる。
その大一番に向けて白石監督は「次も投手を中心に粘り強く守っていきたい」。
粘り強く、“北高らしさ”で、初の九州大会出場という北高の新たな歴史を書き換えていくつもりだ。
(文=PN アストロ)