専大松戸vs佐原
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上沢君(専大松戸)
力のある好投手の投げ合いは、専大松戸が逆転で制す
前半は好投手戦、後半は逆転が相次ぐという展開の試合で、なかなか見ごたえのある内容だった。
最後は、総合力で上回る専修大松戸が何とか逆転して逃げ切ったという形になった。
佐原の瀬川君は足を上げてから腰をくるっと回転させるトルネード気味の投法だが、球のキレ味が非常にいい。ストレートも走っているという印象だった。
これに対して、専大松戸の上沢君は体も大きく、体幹もしっかりしている力感のある投手だ。重そうなストレートがずどんと大山捕手のミットに叩きつけられていた。ストレートは最速141km/hを記録したこともあるという。例えば、瀬川君を快腕投手タイプというならば上沢君は豪腕というタイプであろう。
お互いの投手がそれぞれ持ち味を出していたともいえる。
初安打は4回に佐原の遠藤君が放ったが送りきれなかった。その裏、今度は専大松戸が高見君が好走塁の二塁打。バントは飛球となって失敗したが、内野ゴロで三進し岩下君が中前打して先制点を叩き出した。
6回にも専大松戸は2死から四番重野君が中前打して出ると、岩下君が今度は右中間を破って、またも走者を返した。このリードで、上沢君の佐原打線に対しての状況を見ても、専大松戸がそのまま逃げ切るのではないかと思えるくらいだった。
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瀬川君君(佐原)
ところが、佐原は7回、二番比嘉君が左越二塁打すると、内野ゴロの間に進み四番郡司君の右前打で1点を返した。さらに、宮野君も左前打してつなぐと暴投でそれぞれ進み二三塁。ここで六番本間君が中前へはじき返して二者が帰って佐原は、見事にワンチャンスを生かした形で逆転した。ただ、佐原としては二塁を狙った本間君が刺されたのは、さらに続く伊東君も安打していただけに、結果的には痛かった。とはいえ、この佐原の追い上げの勢いは素晴らしかった。
追いかける立場となった、専大松戸だったが、その裏2死走者なしから反撃に出る。九番上沢君が四球で出ると、児玉君の二塁打で二三塁となる。ここで、やや力んだのか瀬川君があろうことか暴投をしてしまい同点となる。さらに、高見君が安打して児玉君も帰った。専大松戸は8回にも大山君がタイムリー打して突き放した。
夏に4強に残ったメンバーがほとんど残ったということもあって、今大会は前評判の高い専大松戸。持丸修一監督は、夏のチームとは別物ということを前提としながらも、新チームの感触はいいようだ。
「本当に強いチームだったら、やっぱり2-0でそのまま逃げて勝てなくてはいけませんよ。逆転されて、またすぐに返すというのは、それはそれでいいのですが、本当はね…。上沢も夏休みは少し故障もあって、あまり投げ込んでいませんでしたから、7回はスタミナ切れもありましたね。ただ、あそこで(横手の)投手に代えるのも勇気がいります」と、やはり上沢君を軸としたチームとして、悲願達成を狙っているという雰囲気だった。
(文=手束 仁)