豊田西vs栄徳
![](/images/report/aichi/20100912003/photo01.jpg)
小澤君(豊田西)
豊田西、攻守に理想的な展開で3回戦進出
攻守にいいリズムを示した豊田西が、理想的ともいえるような試合展開で7回コールドゲームでスッキリ3回戦進出を果たした。
豊田西には前チームの時から注目されていた三番遊撃手の小澤君がおり、攻守でチームの軸となっている。「小澤を三番においているのは、一二番をセット四五番をセット、六七番、八九番もそれぞれセットとして考えているからです。そして、セットの二人でどちらかがつないでいけばいいという考えなのです。そうすることで(打)線になっていくんだぞということを、生徒たちにもいつも言っています」と、平林宏監督も言うように打線が構成されている。
そして、この日の試合は、それが見事に機能した。初回に、一番岩澤君が四球で出ると、小澤君が一二塁間を破って1死一三塁とすると、四番岩井君が左前タイム―して先制。五番は倒れて2死後、六番近藤君が右越二塁打してさらに2点が追加された。
2回も1死後九番土屋君が四球で出ると、一番岩澤君が左前打してつなぎ小澤君のタイムリー打。四回は失策絡みで追加点を奪い、5回は死球とバント、盗塁、犠飛で加点。そして、6回は1死から二番小川君が三遊間を破って出ると小澤君が大きいのを狙わずに鋭く一二塁間を破ってつなぐと、今度は五番大村君が中前へタイムリー打した。一番が打てなかったときは二番が、四番が打てなかったときは五番打者がと、まさに平林監督の描いたシナリオ通りの攻撃展開となっていた。
守りも豊田西の中川君は右サイドからいいリズムでポンポンと投げ込んでくる。立ち上がりに失策絡みで1死二塁のピンチを迎えかけたが、三番田中君を投直併殺で切って取ると、その後は3人ずつで抑えていく。奪った三振は一つだけだったが、バックを信頼して打たせていく投球だった。4回に二番森田君に安打されたものの土屋君が二盗を刺して、結局7回を打者21人で処理し無残塁で抑えた。
![](/images/report/aichi/20100912003/photo02.jpg)
中川投手(豊田西)
中川君は、夏休みの関西遠征で近江、神港学園といったあたりを相手に好投して自信を深めていったという。豊田西の選手たちにとっては、豊田球場は自分たちのホームグラウンドのようなものでもあり、選手たちも伸び伸びとプレーしていたという印象だった。また、平林監督も試合後はすぐに、球場主任として、グラウンド整備をする生徒たちに指示を与えていた。会心の試合運びもあって、その声も弾んでいるかのようだった。
栄徳としては、先発角岡(つのおか)君が連投ということもあって、本来のキレとリズムがなかったのが誤算だった。前日の1回戦では、コールドゲームとはいえ明和を完封しており、その疲れがいくらか残っていたのかもしれない。また、打線も完全に中川君の術中にはまってしまった形になった。
(文=手束 仁)