試合レポート

名古屋国際vs豊田大谷

2010.09.13

2010年09月12日 豊田総合運動公園球場

名古屋国際vs豊田大谷

2010年秋の大会 秋季愛知県大会 1回戦

一覧へ戻る

川端投手(名古屋国際)

タイプの異なる投手戦は名古屋国際辛抱の試合を制す

名古屋国際はスラリとした右腕川端君はストレートを中心として投げ込み、豊田大谷は小柄な左腕深見君が時にゆっくりとしたスロープも交えながら巧みに投げる。見るからにタイプの異なる投手が先発したがお互いがそれぞれの特徴を出し合いながらよく投げた。

 試合そのものは、淡々とした感じで進んでいって7回を終了して名古屋国際は丹羽君のバントが安打になったものを含めて4安打、豊田大谷は3安打散発で三塁にも届いていないという状況だった。このままの展開で、果たしてどちらにどういう形で点が入るのだろうかという試合だった。

 そうして迎えた8回、名古屋国際は九番飯田君が四球を選ぶと丹羽君の送りバントはいいところへ転がって安打となる。さらに、丸山君のバントも安打となって無死満塁。名古屋国際としても3回以来の三塁の走者となったが、クリーンアップを迎えるだけに何とかしたいところである。ところが、ここで深見君はカーブを振らせるなどして踏ん張って三番山崎君、四番岡田君を抑えて2死とする。

「この回無得点で終わるようだと、延長もあり得るだろうな」とも考えていたところで、五番川端君が左翼手の頭上を破る一打で満塁の走者を一掃して3点が入った。自分のリズムで丁寧に投げていた深見君だったが、無死満塁で中軸二人を抑えてちょっと安堵したのかもしれなかったが、いくらか変化球が高めに入ってしまった。また、それを川端君が逃さず思い切りよく叩いた。

 自分自身のバットで貴重な得点を叩き出した川端君は、8、9回も変わらぬペースで投げていき、結局3安打
完封で12三振を奪う好投だった。ストレートは伸びがあったし、角度もあるので豊田大谷の各打者はやや刺し込まれ気味だった。岡田君も好リードでカーブの使い方も上手かった。ほぼ完璧に近い内容だったと言ってもいいのではないだろうか。


深見君(豊田大谷)

 かつて、古木克明(横浜→現格闘家)を擁して強力打線で甲子園4強にまで進出した実績を誇る豊田大谷。強烈な深紅を基調とした愛知県では珍しい鮮やかなユニホームは、その時のチームの印象が強烈だった。
それだけに、こちらもついつい強打のチームをイメージしてしまって見ているところあるのかもしれないが、今回は小粒という印象だったのは否めなかった。それでも、佐竹政和監督が就任して、緻密な野球を注入していこうという姿勢は感じられる。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.21

名将・門馬監督率いる創志学園が3回戦で完敗…2連覇狙う履正社は快勝【近畿・中国実力校20日の試合結果】

2024.07.21

【東北地区ベスト8以上進出校 7・20】青森の決勝は3年前と同カード、岩手、山形でも続々と8強に名乗り【2024夏の甲子園】

2024.07.21

【関東地区ベスト8以上進出校 7・20】神奈川4強が決定、茨城、群馬、栃木、千葉、西東京、東東京で8強に続々名乗り【2024夏の甲子園】

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.20

【夏の逸材123人成績速報】198センチ左腕、世代屈指のスラッガー、大分の県立に現れた150キロ右腕などドラフト候補が大活躍!北海道NO.1左腕がプロ志望を表明

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」