興南(沖縄)vs鳴門(徳島)
全国トップとのスピード差
![](/images/report/zenkoku/20100810005/photo01.jpg)
(鳴門)
意外に闘えた打撃と投手力
誤解を恐れずに言えば、この試合で鳴門は興南に「いい闘い」ができた。
まず「フルカウントだったし、相手は四球を出したくないと思ったので思い切って振った」津川裕規(3年)の2長打をはじめ、春の優勝投手・島袋洋奨(3年)から7回で5安打、加えて3四球、1振り逃げで9人のランナーを出した打撃面は概して上々の出来。もし0対3で迎えた5回表・2死満塁のチャンスを活かしていれば、試合の勝敗さえ混沌としていたであろう。
また、徳島大会から1人でマウンドを守ってきた先発の吉田忠浩(3年)も15安打を打たれながらも課題だったコントロールは四球わずか1。「リリースのところだけ力を入れて投げられるようになってきた」森脇稔監督の手ごたえを自責点「1」という数値と共に大舞台で堂々と表現して見せたことは大いに賞賛を与えていいだろう。
決定的な「スピード差」が大敗に
ただし、試合のスコアは0対9。森脇監督が「もっとも恐れていた」と語り、試合前日練習のシートノックでも散見された守備の乱れは、失策数0対7という記録以上の差となって彼らにのしかかっていた。
さらにこの試合で両者の間に決定的な差が見られたのはスピード面である。3回・1死1・3塁のチャンスでショートゴロ併殺に終わった眞田和久(3年)は、その数秒間に起こった出来事をこう語る。
「直球に詰まって『やってしまった』と思って全力で走りましたが、ショートが突っ込んでくるのが見えてから、徳島大会にない感覚で送球がファーストに回ってきました」。
しかし、これは興南にとってごく当たり前のプレー。これが全国大会なのだ。
とはいえ、15年ぶりの出場となった鳴門にとっては、このスピードを知ったことは今後のチーム作りに大きな糧となるはず。最後に出場した11名の中、唯一の下級生で1安打を放った杉本京太三塁手(1年)のコメントを引用して、彼らの奮起を促したい。
「今まで神港学園(兵庫)などの強豪と練習試合で対戦したことはありましたが、興南はどのバッターも振れていてすごかったし、守備もスキがなかった。でも僕1人が下級生で試合に出ていたのだから、今後は徳島に帰ってからも全国のレベルを徳島に伝えたい」。
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鳴門 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||||
興南 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 4 | 2 | 0 | X | 9 |
鳴門:吉田―井上 興南:島袋 川満―山川
本塁打:国吉陸(興)