Interview

歌手 MIHIRO~マイロ~さん

2010.07.15

第48回 R&Bシンガーソングライター MIHIRO~マイロ~さん 2010年07月15日


歌手 MIHIRO~マイロ~さん | 高校野球ドットコム

第48回の独占インタビューは、R&BシンガーソングライターのMIHIRO~マイロ~ さんです。
MIHIRO~マイロ~ さんは待望の新曲「Makes Me Right」が関東3県の高校野球選手権大会のテーマ曲に決定!!
またご自身も高校時代は球児として北信越大会に出場。捕手として甲子園を目指したバリバリの球児OBです。
チャレンジ、チャレンジの半生を通して野球からどんなことを学んだのでしょうか。
お話を伺ってきました。


高校野球との出会い

歌手 MIHIRO~マイロ~さん | 高校野球ドットコム

スタッフ(以下「ス」):ーMIHIRO~マイロ~さん自身も高校野球をされていたそうですね。 

ーMIHIRO~マイロ~さん(以下「M」):はい。高校はキャッチャーでした。小学校1年生の時に野球とサッカーをやっていて、野球をとった感じですね。小学校の時はピッチャーをはじめ、いろんなポジションをやっていました。それから中高とキャッチャーとしてプレーしていました。

「ス」:ーMIHIRO~マイロ~さんの時代は松商学園など非常に強い時期では?

「M」:そうですね。松商学園とか、丸子修学館とか・・丸子が追い始めた頃の松商時代でしたね。あと北信越でいうと、星稜ですね。

「ス」:松井秀喜選手と同世代ですね。

「M」:そうですね。強豪では北信越地区では金沢とか新潟明訓とか強かったですね。ちなみに春は優勝したんですよ(笑)

「ス」:高校は?

「M」:僕は岡谷南高校です。3年間高校野球にのめり込みました。

「ス」:春の優勝校ということは、現実的に甲子園を目指せる位置で野球をやっていたのですね。

「M」:そうですね。甲子園一筋の3年間でした。


32kmの走りこみ

歌手 MIHIRO~マイロ~さん | 高校野球ドットコム

「ス」:高校時代を振り返ってみて、高校野球の何が印象にありますか?

「M」:うちの高校の監督の方針がまず「精神力を鍛える」というものでした。
絶対に試合の中でピンチというものは訪れます。今思えば人生においてもそうなのですが、ピンチの時どう耐えるのか?どう乗り越えるのか?
もちろん野球の場合チームプレイなので、やっぱり友との絆もありますが、やはり自分との戦い。自分に勝つことがチームの一歩になる、それを支えるのが精神力なんだという練習方針でした。
ですので、ずっと走らされてました。「陸上部か!」というぐらい(笑)

「ス」:結構野球部って足が陸上部員より早かったりしますよね(笑)

「M」:間違いないですね(笑)だから打ち込みもしたいし、キャッチボールもしたいなって思ってましたけど、まず走らされてました。岡谷南って諏訪湖の近くなんですが、1周16kmあるんですけど、それを2周させられていました。学校授業終わったら練習あるじゃないですか。それで2周してたら終わっちゃうんですよ笑

「ス」:確かに(笑)

「M」:でもその時、「自分はいったい何をやっているんだ?」「何と戦っているんだ?」と考えているうちに、ふと思ったのです。最初は監督に対して「ふざけんな、俺をそんなことをしに野球部入ったのではない」と思っていたのですが、でもちょっと待てよと。
これを見返すには速いタイム出したり、2周走っても全然まだいけるようにアピールしたり、そういう自分を作らなきゃなと思った時に自分との戦いだとわかったんです。そこから理想の自分を設定するようになって。やっぱ理想の自分が一歩前に走っているんですね。それを追っかけて。そういう中で精神面が強くなったと思うし、今の自分があるのだと思います。


R&Bシンガーソングライターにいたるまでの道のり

歌手 MIHIRO~マイロ~さん | 高校野球ドットコム

「M」:僕は大学中退し、音楽の専門学校に通うため新聞奨学生をやっていたのですが、本当に辛かったです。でも、その時まさに高校野球の体験が支えてくれましたね。今考えると信じられないほどの状況でした。

「ス」:なるほど。多くの球児が高校卒業後、硬式野球をやめます。その時に進路というものを考えているようになりますが、MIHIRO~マイロ~さんの場合、最初の一歩は踏みだしやすかったのですか?

「M」:僕は悔しさですね。甲子園にいけなかったという悔しさがずっとありました。しかも僕は肩を故障して、何も自分は残せなかったと。チームに対しても、自分に対しても。でも当時は甲子園という目標があったから頑張れたということもあるので、やっぱり目標を設定しないと何していいのかわかりませんでした。だから、専門学校行くメンバーが多かった中、大学受験という自分の中でハードルの高い目標をつくるようにしました。

「ス」:歌手という道はその当時から?

「M」:本格的に考えるようになったのは、大学に入ってからです。歌うこと自体は小学校の頃から盛んな環境でしたが、高校時代も遠征のバス内とかであるじゃないですか、先輩が歌えって。(笑)

「ス」:ありますね(笑)

「M」:あとは、自分の悔しさを歌にぶつけて歌うこともありましたね。諏訪湖のほとりで(笑)

「ス」:練習終わってから!

「M」:えぇ。しかも寒い所でですよ(笑)なんかもうおかしな奴でした。ともかく、歌うことは自然なことでした。


高校野球で学んだこと

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「ス」:高校出て大学へ、そこから今度は歌の世界へと、目標設定が上手なのでは?

「M」:いや!これはもう運だと思うんですよね。僕にはたまたま、やりたいことがありました。いろんな人が自分の周りで「目標がない」とか言っていますが、僕からすれば自然に現れるものだと感じます。それを考えれば、自分はすごく恵まれていると思います。

「ス」:今の球児も甲子園があるから頑張れるという所がありますよね。球児OBとして頑張っている球児達にメッセージはありますか?

「M」:そもそも、自分が呼吸していること、自分がここにいることというのは意味があるということです。そして、自分は必要とされているということを知って欲しいです。
そこへ付け加えて、自分らしくですね。物事に対して自分なりの意見をもつ。それはとても大事なことです。

「ス」:それは高校時代からそう思っていたんですか?

「M」:とんでもない(笑)自分を否定してばかりでした。
だからこそ、球児には自分を否定してほしくない思いがあります。その時は結果が全てだと思っていたのですが、今思えば過程も大事だったと。

「ス」:高校野球は甲子園の優勝校以外は必ずどこかが負けてしまいますからね。

「M」:そうです。負けた涙の方が圧倒的に多いわけです。もちろん結果がすべての世界でしか学べないことは有ります。その情熱で学んで、消化したことは、一つの大きな宝物になると思います。だからやったと思える自分を3年間でつくって欲しいです。悔いは必ず残るもんです。でもそれを少なくして、逆に自分はやったと思える気持ちを多くできるかが大切なんだと思います。

「ス」:なるほど。高校時代から今でも続いていることはありますか?

「M」:ひとことで言うと練習ですね。練習を、続けるということ。続けるということが努力だと思いますし、今も続けていないと自信が持てないんですよ。あまり歌っていない人の歌を聞いても説得力がないと思いますし、バットを振っていない人のスイングを見てもそうです。スイングの中にもドラマがあるんですね。
なので、なにか自分はここは頑張りたいという舞台がある時は、そこまでに100%を尽くしておく。その過程ないとなって思います。ちなみに今でも靴は帰ったら磨く癖がありますよ(笑)。


曲にこめたメッセージ

「ス」:今回の曲「Makes Me Right」神奈川、埼玉、千葉の3県で高校野球選手権大会予選のテーマソングとなっていますが。多くの球児にとって夏のイメージの中に残りますね。

「M」:何事も一生懸命にやったものが自信になって人間性とか人柄とかになるのだと思います。高校野球は優勝する1校以外は皆負けてしまいます。でも、その勝敗以上に大きな物を得ているはずです。そういうものを大切にして欲しいですね。

「ス」:3県で600校近くあり、多くの球児がMIHIROさんの曲を聞くことになりそうですね。

「M」:そうですね。その中で勝つ球児はもちろん、負けて涙をながす球児に捧げたい曲です。

「ス」:歌詞をみても、前向きになれる曲ですよね。

「M」:えぇ。いつも負ける人の見方でいたいというのが自分の中にあって、だから勝者は敗者の気持ちを汲(く)んで戦って欲しいです。敗者があっての勝者ですからね。
自身に対しても、あの一塁ベースにがむしゃらに走って飛び込むという精神は続けていきたいことですし、そこから始まることもあると思うんです。今になって高校野球を理解できたことがあるんです。改めて、「高校球児」の気持ちを忘れないようにしたいです。
出来上がってみて、意識はしなかったのですが、「やっぱ俺は高校球児だったんだな」とおもいました。(笑)

「ス」:ぜひ3県以外の球児にも伝えたいですね。

球児へのメッセージ

「ス」:それでは最後に球児へのメッセージをお願いします。

「M」:とことん自分のハートを燃やして、燃え尽きつきて下さい。そうすれば絶対次のドアが開きます。燃え尽きるその姿を応援に僕も現場へ見に行きます。その応援歌として僕の「Makes Me Right」がそばにいてあげられてるように、僕もここでハートを燃やして歌うので、一緒に戦えたらなと思います。

「ス」:ありがとうございました。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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