南陽工vs防府
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南陽工優勝!
岩本が帰ってくる!南陽工が本命のプレッシャーを退けて優勝
南陽工が4年ぶり3回目の甲子園を勝ち取った。プロ注目のエース・岩本輝投手(3年)が本調子ではない中、
防府打線を3安打に抑え込んだ。打っても、延長10回に勝ち越しタイムリー。昨年センバツ8強の立役者となった岩本が、一回り大きくなって甲子園へ帰ってくる。
試合は岩本の8連続ボールから始まった。「1球もストライクが入らなくてあせった」。連続四球で無死一、二塁。併殺崩れの間に先制を許した。さらに5回にも1失点。味方打線は防府の左腕・田辺隼人投手(3年)のカーブとストレートの緩急に惑わされ、フライアウトの山を築いていた。
岩本について山崎康浩監督は「緊張もあったかもしれないけど、アップ不足(心身両面)でしょう。途中から急に力を入れてきた。やればできるのに、やらないのはダメ」と厳しい口調だ。
6回に同点に追いつくと、「これで勝てると思った」岩本はエンジン全開。その裏を3者連続三振に斬るなど、見違えるようなピッチングを見せる。そして10回、2死三塁で岩本自ら決勝の左中間ツーベース。直前の打者が併殺打に終わっているだけに「気持ちだけで打席に入った」。
山崎監督は「大会前からプレッシャーがあった」と、静まり返った球場で声を絞り出した。昨年センバツでベスト8。以降、常に県の本命と言われながら夏、秋と早々に敗退。
「力がありながら、なかなか勝てず、私自身野球が嫌になることもありました」。
この冬は、選手たちの自覚を促すために、いまだかつてない練習メニューを作ったという。グラウンドの掲示板には、昨年夏に3回戦で
に敗れた新聞記事を貼りっぱなしにした。
夏の大会は、運命めいたものになる。
1回戦の相手は、
。準々決勝の
下関中央工は山崎監督の前任校。準決勝の
高川学園は、かつて練習方法などを学んだ中野泰造監督(東亜大野球部元監督)が率いるチームだ。結果こそ快勝に見えるが、さまざまな思惑があった。
そして、
防府。昨秋の地区大会1回戦、つまり新チーム最初の公式戦で1-2で涙を飲んだ相手である。「秋こそと思って臨んだのに…。ショックは大きかった」(岩本)。
防府はそのまま中国大会にも出場し、21世紀枠最終候補にまで残った。防府市と南陽工のある周南市は隣り同士。岩本や目代新遊撃手(主将・3年)と、
防府の水野恵介捕手(3年)は防府市立桑山(くわのやま)中学でチームメイトだった。だから人一倍、防府に負けたことが悔しかった。試合後、目代は「いい試合ができてありがとうと言いたいです」と締めくくっている。整列して握手を交わすシーンは、心から健闘し合っているのが伝わってきた。
「こういう厳しい展開でも、ひっくり返す力がないと甲子園では通用しない。甲子園でも接戦をモノにしたいが、まだまだ甘い部分があります」。
チームは短期間の合宿を行い、甲子園入りする予定だ。
(文=矢島 彩)
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南陽工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | |||||
防府 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
南陽工:岩本 – 河村 防府:田辺、岡村 - 水野
二塁打=岩本(南)