試合レポート

富山第一vs桜井

2010.07.27

2010年07月27日 富山市民球場  

富山第一vs桜井

2010年夏の大会 第92回富山大会 準決勝

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富山市民球場

富山が弱い理由

長い。長すぎる。
それは、試合と試合の間の時間。
富山県では、第1試合が10時開始にもかかわらず、第2試合の開始時間がなんと13時30分に設定されている。1試合目がどれだけ早く終わろうとも、それは変わらない。この日の1試合目は12時12分に終わったが、2試合目の開始時刻は13時33分だった。

これについて南修朗理事長に尋ねると、「余裕を持って開始できるように、決まった時間に開始できるようにです。応援団などに考慮して? すべて含めてです」と強い口調で返答された。南理事長によれば、富山県では、何年も前からこの時間で行っているという。
確かに、選手たちにとってはありがたい。前の試合が早く終わろうと、長くなろうと、ほぼ予定通りに試合を始めることができるからだ。マスコミにとっても、前の試合についてたっぷり取材をしても、ノックから見られるというメリットがある。歓迎する人は多いだろう。

だが、これが全国大会に通じるかといえば疑問だ。甲子園では、前の試合の2時間半後(第1試合が8時半なら11時)が予定開始時刻になっている。試合が長引けば、試合間の30分が20分に短縮されることもある。他県を見ても、第1試合が10時開始なら12時半が普通。驚異的に試合間の時間が短い大阪大会は、第1試合が10時開始の場合、第2試合は12時10分。1日2試合しかなくても、この時間だ。のんびり、ゆっくりやっている富山とは雲泥の差がある。

普段からこの時間でやっていて、甲子園に行ったらどうなるか。
急いで準備をすることに慣れている大阪の選手は甲子園に行っても戸惑うことはないだろうが、ゆっくり準備するのに慣れている富山の選手たちは、甲子園のスピードについていけず、準備不足、または今までとは違う準備の仕方で試合に臨まざるをえなくなる。必ず予定開始時刻に始まる第1試合を除けば、これだけで、試合の結果は見えているといってもいいぐらいだ。

ちなみに、富山大会は試合開始予定が10時になっていても、10時に始まることはない。なぜなら、10時にようやく整列するから。この日は第1試合が10時開始予定で、実際の開始時刻は10時02分。第2試合は13時30分開始予定で13時33分だった。甲子園では、予定3分前には整列してあいさつ。開始予定より1、2分早く始まることも珍しくない。これだけのんびりやっていては、甲子園のペースに合わせられないのも無理はない。

また、第2試合のメンバー表交換を見ることができたが、ここでも審判から部長、キャプテンへの驚くべき発言を聞いた。
「テンポよくやりましょう。スピーディーに協力してください。タイムについてですが、キャッチャーは何回もタイムを取ることが認められていますが、片方のチームが取っていないのに、片方のチームばかり取るというのはフェアじゃないですよね。そういうことも考えてお願いします」。

これだけゆっくり運営をしていながら、試合では急げと言う。3年間の集大成の夏の大会なのに、権利として認められているタイムを控えるように要求する。タイムを取ることで防げる失点があるかもしれない。負けなくてすむかもしれない。それなのに、あのときタイムをとっていたら……と高校生に一生後悔させるかもしれない無理な要求をするのだ。運営側と審判では、まったく辻褄が合っていない。

ちなみに、審判のストライクゾーンは2試合ともかなり外角が広かった。右打者なら、左打席のベース側のライン上は当然のようにストライク。これでは、富山県では外角のコントロールさえよければ勝てる。この日の4チームの投手の配球がほとんど外角一辺倒だったのは、広すぎるストライクゾーンと無関係ではないだろう。これでは富山県から好投手は育ちにくいはずだ。

富山県の甲子園での成績は春夏通算27勝65敗2分で47都道府県中、45位。夏の大会に限ると、20勝50敗1分でブービー賞の45位タイだ。
なぜ、富山県が弱いのか。これは、指導者や選手たちのせいばかりではない。こういうところから見直していかないと、明るい未来はない。

(文=田尻 賢誉


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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