試合レポート

いなべ総合学園vs津

2010.07.25

2010年07月24日　四日市市霞ヶ浦球場

いなべ総合学園vs津

2010年夏の大会　第92回三重県大会 4回戦

岡部(いなべ総合)

いなべ総合、圧勝で悲願へまた一歩

ベスト16が出揃った三重県では24日、４回戦８試合が行われ、勝者がベスト８に名乗りを上げた。
四日市市の霞ヶ浦球場では第一試合にいなべ総合が登場。昨秋、今春ともに県大会２位の好成績を残しており、今夏は初の甲子園出場へ期待がかかる。

いなべ総合は初回に６点を先制。この時点で大方、勝負アリだ。その後も４回裏に岡部直人のタイムリーで２点、さらには５回裏にスクイズと中園洋輔のタイムリーで２点を加え、コールド勝ちを収めた。ここまでの２戦で同校は接戦が続いただけに、溜まっていた欝憤を晴らしたかのような圧勝だった。

この日はプロ注目の本格派右腕・近藤佳史を休ませ、背番号９をつける２番手投手・岡部直人（２年生）が代わってマウンドを預かった。岡部は昨秋も勢いの良さとハートの強さを全面に出して力投していたが、当時はまだ１年生で、ピッチャーとしての鍛錬がもっと必要だな、という印象を受けた。

それがこの夏はずっと投手らしくなり、ボールの質、ストレートのスピードともに良くなっていた。勢い良く前に踏み込みながら、体をしっかり使ったフォームで投げて、イキのいいストレートが走る。体を大きく使ってもバランスは乱れることなく、腕の振りによどみがない。
敵と戦うというよりは、自分のフォームで投げることに意識を置いて投げているような感じで、それゆえストレートが打者に合って安打を許すこともあったが、要所はストレートやスライダーで三振を奪った。５イニングス無失点の好投だった。

打者では強肩捕手の中園洋輔が光る。きれいに外野手の間を割っていくロングヒットは打球も速く、チームの中でも打撃の鋭さが頭一つ抜けている。守備でも、テンポのいい組み立てで岡部の好投を引き出した。
そのほか、先頭打者としてチームを引っ張る出口博章、体格のいい森山翔太などが攻撃の要。

一方、津高校は県内きっての進学校。ここまでの２戦をともにコールドで勝ち上がったが、いなべ総合には力がまだ及ばなかった。
エース左腕の川辺優治は、初回に６点を失ったものの、２回裏、３回裏と無失点に封じ、一旦は立ち直ったかに見えた。打たせて取る投球で翻弄を試みたが、４回裏に２死から走者を出してリードを広げられ、形勢が悪化した。

（文＝尾関雄一朗）

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