試合レポート

新田vs野村

2010.07.23

2010年07月22日 西条ひうち球場

新田vs野村

2010年夏の大会 第92回愛媛大会 3回戦

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冨谷誠志(新田)

新田、2年生の好リードで第2シード野村下す!

(試合経過)
まず試合の主導権を握ったのは逆転負けに終わった春季県大会準決勝のリベンジに燃える新田であった。1回裏には「本人は大丈夫だと言っていたが、制球が定まっていなかった」(3年生バッテリーを組んだ井関圭太郎捕手)野村先発、市川恵洋の乱調に乗じて、2番・岡田竜弘(3年)が安打後、盗塁と井関の悪送球による1死3塁から3番・髙橋祐樹がセンターに弾き返し、わずか6球で先制点をマークする。

さらに新田は4回に守備妨害の処理を巡り約10分間の中断期間を挟んだ後に2つの押し出し四死球を選んで2点。5回には6番・中川昌弘(2年)の大会第13号となるソロアーチで合計4点を奪い、第2シードの野村を土俵際まで追い込んだ。

野村も中盤からは意地の反撃を開始。6回に敵失で1点を返すと8回には3番・岡田穣二(3年)、井関、市川の3連打で2点。選手登録17人で昨秋県大会ベスト4、今春県大会優勝とこれまで数々の奇跡を起こしてきた片鱗を見せる。

ただし彼らの意地も「あと1点」を埋めるまでには至らず。左腕・冨谷誠志(3年)の138球にわたる熱投が実った新田が最少得点差で第2シード野村を下し、悲願の夏甲子園初出場へ向けて2年ぶりとなるベスト8進出を決めた。

(インサイドコラム)
「負けた実感がありません。春の県大会でも、その後の練習試合でも勝っていますが、新田に実力があるのはわかっているので、私が選手たちに新田を意識させすぎたことが裏目に出てしまいました…」。

試合後、半ば呆然とした表情で敗因を振り返った野村・長龍剛監督。しかしこの試合について言えば、野村に責を求める前に、「攻撃の核である1番の中越広基、3番の岡田穣二の左打者2人に打たれるのは仕方がないが、その後をよく抑えてくれた」(秋山和輝監督)新田をまずは褒め称えるべきだろう。

中でも秀逸だったのは「松山商OBだった父に薦められて」東京・立川シニアから遠く愛媛の地に戦いの場を求めてやってきた髙橋祐樹(2年)のリードぶりである。特に「野村とは春から4度目の対戦になるので、相手に張り球を晴らせないように、冨谷誠志(3年)さんと話し合った」配球では「中越さんには初球のまっすぐでは外角に、岡田穣二さんは初球に必ず手を出してくるのでボールから入ることを心がける」ことで最も恐い左打者の長打を未然に防止。

加えて「今日は1回も首を振らずに要求してくれたところに投げてくれた」冨谷のコントロールピッチをストライクゾーンだけでなく、ボールゾーンも視野に入れて引っ張ったことや、4回・岡田穣二の盗塁を正確な送球で刺したことも、チーム内に大きな勢いを与え、「試合前は打てると思っていたが、思ったよりよかった」(井関圭太郎)野村に焦りを与える要因になっていた。

「野手に信頼されて、投手にリードを全部任せられるキャッチャーになりたい」と将来の目標を語った髙橋。この試合における彼の存在は、間違いなく「扇の要」たるそれであった。

(文=寺下 友徳


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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