市立柏vs千葉商大付
![](/images/report/chiba/20100717003/photo01.jpg)
歓喜の市立柏ナイン
市立柏、接戦を制し、4回戦に進出!
この日の市原臨海球場で予定されているカードでは最も良いカードである。ノーシードなものの、秋ベスト8の市立柏と秋優勝、春ベスト8の千葉商大付の対決だ。市立柏のバッテリーである上條―館花が県内随一である千葉商大付の機動力をどう封じるかが見所だ。千葉商大付にとって送球タイムは1.9秒台を計測する館花は今までの対戦相手と比べて脅威の的だろう。しかし千葉商大付はいきなり持ち前の機動力を発揮した。
1回の表、ノーアウトから1番の飯塚 将斗(3年)が四球で出塁し、2番の大塚 翔太(3年)のバントでワンアウト二塁。3番林 翔太(2年)の時にバッテリーミス。キャッチャーの館花 翔がもたついている間に飯塚が躊躇することなくホームへ、千葉商大付がノーヒットで先制する。千葉商大付は自分の持ち味を発揮して1点をもぎ取った。
1回の裏、
の攻撃。1番の中沢 亮太(3年)にセンターを破る長打。中沢は二塁を蹴り、三塁へ。しかし千葉商大付の無駄のない連係プレーによりタッチアウト。その後もヒット2本が出るものの、無得点。千葉商大付の効率の良い攻めが引き立たせてしまった。
3回の表、千葉商大付はワンアウトから飯塚がセカンドへ内野安打。飯塚は盗塁を敢行。2番大塚がサードへ内野安打でワンアウト1,3塁。大塚は盗塁を決めて、ワンアウト2,3塁。3番林がスクイズを決めて、飯塚がホームイン。続く4番の太田恵悟(3年)がライト前ヒットを打ち、3点目を入れる。ここまで千葉商大付のペース。3回まで3盗塁を決め、上條を揺さぶって攻略していった。
4回の裏、
市立柏は5番の船越 涼太(3年)が痛烈なレフト前ヒット。ツーアウト二塁となって8番の上條センターへタイムリーヒットを打ち、1点を返す。
5回の表、
市立柏は上條に代えて、右サイドハンドの角館 祥太(3年)を送る。恐らく流れを変えるためだろう。ワンアウトから2番の小澤がレフト前ヒット。小澤は二盗、三盗を決めて、ワンアウト三塁のチャンスを作るが、3番林、4番太田が連続三振に倒れ、追加点ならず。ここまで押され気味の流れを角館が食い止めた。
5回の裏、市立柏は千葉商大付のエース平部 隆(3年)を襲い掛かる。ワンアウトから2番高川 瑛生(3年)が四球で出塁。3番館花がライト前ヒットで高川は三塁へ。4番瀬戸井 祐介(3年)がライト前ヒットで高川がホームイン。ツーアウト1,2塁となって6番瀬能 将生(3年)がセンターを破る長打を打ち、二者生還し、
が逆転した。
その後、両チームはチャンスを作るものの、決定打が出ないまま、9回の表を迎えた。千葉商大付は円陣を交わす。千葉商大付の吉岡監督は打者の下によりアドバイスを送る。しかし7番萩原翔太(3年)はファーストゴロ。8番の平部はライトフライ。9番小澤 卓也(3年)はピッチャーゴロに倒れ、ゲームセット、
市立柏が激戦を制し、4回戦に進出した。
この試合は角館の好投に尽きる。千葉商大付が機動力野球を大いに発揮し、千葉商大付ペースで進んでいた試合を止めた。しかし機動力は封じられたわけではない。合計で8盗塁を決め、2番の大塚は4盗塁を決めた。何度も得点圏でランナーを背負ったが、決定打を許さなかった。角館の粘り強さがチームの逆転劇を呼んだ。
千葉商大付は自分たちの持ち味を発揮したのに関わらず、負けたのだから、やり切れない気持ちでいっぱいだろう。彼らが膝をついて涙を流す姿は秋季大会から見ている筆者にとっては思わず涙腺が緩んでしまうものであった。
しかし君たちは我々を楽しませてくれた。試合前のヘッドスライディング。そして機動力で相手を錯乱する戦いぶりは見ていて気持ちが良かった。その野球を伝統にしていただきたい。
(文=高校野球情報.com編集部)
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千葉商大 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | ||||||
市立柏 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | X | 4 |
千葉商大:平部―菊池 市立柏:上條、角館―館花
二塁打=中沢、瀬能、角館(柏)