今治工業vs八幡浜
![](/images/report/ehime/20100716001/photo01.jpg)
4打数4安打の菅裕紀遊撃手(今治工3年)
昨夏ベスト4今治工、“賢者”の活躍で接戦制す
【試合経過】
昨夏、55年ぶりに県ベスト4に躍進した今治工の強打線が、序盤から八幡浜の2年生好右腕・菊池大樹に襲いかかる。1回、旧チームでも主軸を担った4番・兼島太志(3年)のタイムリーで先制すると、その後も小刻みに加点。7回には「普段は守備の選手」と話す菅裕紀(3年)によるこの日4打数4安打となる右中間タイムリー2塁打などで2点を追加し、試合の主導権を掌握した。
対する八幡浜は13安打を放つなど今治工の矢野純也(3年)、河野隆亮(3年)両投手を攻め立てたが、要所を兼島のリードに封じられ、初戦で姿を消すことになった。
【インサイドレポート】
村上絶妙な投手リレーを駆使し、昨夏の愛媛大会に一大旋風を巻き起こした今治工。その中にあって、陰の立役者となったのが当時2年生の兼島太志である。時には大胆に。時には細やかに。右の上垣迅、左の池内達也というタイプの違う3年生両投手をリードする様は、愛媛県の高校野球に「新たなる賢者」の誕生を予感させるものだった。
ところが新チーム結成後の今治工は秋、春の県大会共に東予地区予選敗退。対戦相手が今治西、今治北という甲子園出場経験のある強豪校という不運もあったが、兼島がリード面で迷いを抱えていたこともチームに微妙な影響を与えていた。
しかし背水の陣で臨んだこの八幡浜戦、兼島は堂々たる復活祭を自らのバットとリードで祝うことになる。「相手投手はスピードがあるのでバットをシャープに振ることを心がけた」打撃面では、「変化球が曲がらずにうまく拾えた」先制タイムリーを含む2安打2打点。守っては「DVDを見ると初球から振ってくるし、1・3・4・5番はスイングが速い」八幡浜の特性を利用した変化球とストレートを巧く織り交ぜるリードで、反撃を最小限に食い止めた。
さらに味方のチャンスではネクストバッターサークルに飛び出し、次打者に一言アドバイスを送っていた兼島。その理由を彼は試合後、こう説明してくれた。
「去年の3年生が引っ張ってくれたように、ベンチでもプレーでも盛り上げられれば。特に僕は1年生のときから試合に出ている経験があるので、チームの緊張をほぐせればと思ってやっています」。
そう、それこそが周囲が彼に求めていた姿。「よう選手が全力を出し切れた」と試合内容に高い評価を与えた村上監督と同時に、兼島の評価はこの1試合で急上昇したことは間違いない。
(文=寺下 友徳)
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今治工 | 1 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 2 | 1 | 1 | 9 | ||||||
八幡浜 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 5 |
今治工:矢野純也、河野隆亮、矢野純也-兼島太志
八幡浜:菊池大樹、二宮謙祐-浜田恵太