高知工vs中村
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(高知工)
高知工、「取り組み変えた」改革で3年ぶりベスト8!
確かに試合は7回コールドで終わった。が、両チーム通じて得点が入ったイニングは相手捕手の打撃妨害を皮切りに、5番・川上敬司(3年)のレフトポール際への満塁アーチなどで一挙7点を奪った5回表のみ。試合後、高知工・横山真哉監督が話した「7対0だけど、守り勝った試合」との勝因分析も十分に頷けるものであった。
それにしても驚かされるのは新チームになってから新人大会、秋・春の県大会、そして県体育大会予選を経ても公式戦1勝すらあげられなかった高知工の変貌ぶりだ。春の県大会で高知中央に0対9、7回コールドで敗れた際には随所に散見していた「集中力の欠如、基本プレーへの意識の低さ」は微塵もなくなり、今大会では2試合通じていまだ失策0。エースの川端文雄(3年)も1回戦で足をつり、5回で降板したアクシデントを全く感じさせない粘り強い投球で7回を6安打無失点に抑え込むなど、まるで春までと同じチームとは思えない完成度である。では、その理由はどこにあるのか? 川端を好リードで支え、中高時代通じての初アーチでヒーローの座を手にした村田は、自らの変化になぞらえてこう語る。
「これまで公式戦1勝もしていかなったし、支えてくれた皆さんに感謝の気持ちを持って練習から取り組みを変えました。僕はそれまでは深く考えないでリードしていましたが、今では相手打者の状況を見てサインを変え、試合当日に一番ピッチャーにとっていい球種を投げさせるようにしています」。
そんな選手たちによる意識の芽生えを、体に染み付かせたのが今年5月より野球部部長から転じた横山監督である。例えば地肩が強い一方で下半身が使えないために制球がまとまらず、それ以前にクイックができない致命的な欠点を抱えていた川端には「故障のあった下半身を治療して、夏に間に合わなくてもいいから徹底的に土台作りをやろう」と呼びかけ、さらにクイックも伝授することで「バッテリーミスをなくして、準備していないミスを防ぐ」野球の土台を構築。かくしてこの日、3ヵ月間にわたる改革は3年ぶりとなる夏2勝とベスト8入りという快挙で、見事に実を結んだのであった。
(文=寺下 友徳)
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高知工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | 7 | ||||||||
中村 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
高知工:川端文雄-川上敬司 中村:竹内平、佐野貴一-豊永将基
(本塁打)高知工:川上敬司(5回表満塁・大会第3号)