土居vs小田
![](/images/report/ehime/20100717003/photo01.jpg)
中村僚捕手(土居2年)
育成功労賞監督が魅せた2つのサプライズ
【試合経過】
初回、4回と得点を奪い合う接戦は、6回表、2番・星川大輔(2年)のタイムリーにより徐々に流れが土居の側へ。
続く7回にはエース・近藤雄飛(3年)の大会第5号となる弾丸アーチが飛び出し、その後の小田の反撃を1点に抑えた土居が第4シード西条との2回戦へ駒を進めた。
小田は酒井翔平(3年)が11安打を浴びながら粘り強く9回を投げきったが、10安打するも10奪三振を喫した打線が最後の一押しを欠いた。
【インサイドレポート】
先日、新居浜西、新居浜東での25年間における的確な指導が高く評価され、日本高校野球連盟から育成功労賞表彰を受けた坂上仁監督。この4月から新たに赴任した土居での公式戦初采配となったこのゲームでも、「2つのサプライズ」で観衆を大いに沸かせてくれた。
1つ目のサプライズはエースの近藤雄飛(3年)が7回に放った、坊ちゃんスタジアムでは今大会初となる大会第6号ホームランである。
外角高めの直球を捕えたその打球は弾丸ライナーでそのままレフトポール際へ。これまで高校通算20本塁打を放つなど、愛媛県内では右の強打者として密かに知られていた近藤であったが、「頭の位置を動かさず、ミートだけを心がけて8~9割の力で打つことを教えた」坂上監督のアドバイスは、まるで全盛時の秋山幸二(現:福岡ソフトバンクホークス監督)を思わせる驚愕の打球を生んだ。
もう1つのサプライズは「まずはキャッチャーだった主将の越智大貴(3年)をショートにコンバートすることを考えて、それによってショートの星川大輔(2年)をサードに、そしてサードをキャッチャーに回した」(坂上監督)ことで4月末に誕生した184センチの大型捕手、中村僚(2年)である。
「キャッチャーは嫌いではなかったし、雄さん(近藤)をリードできるので今はすごく楽しい」と語る彼の2塁送球は、まさにレーザービーム。まだ送球フォームについては野手投げの域を出ない部分はあるものの、「最初はシュート回転がかかっていたが、最近では非常によくなった」と指揮官も褒める彼のポテンシャルは、来年のドラフトを十分視野に入れられるものであった。
試合後は「今日はびっくりしました。でも、次の(第4シード)西条戦で終わりですよ」と報道陣を煙に撒いた坂上監督。
しかし「先生は土居に赴任されたときから『シード校を倒そう』と言っているし、次も勝ちたい」と意気込む近藤をはじめ、今大会選手登録の12名がもし今日見せたポテンシャルを増幅させることができれば……。21日、坊ちゃんスタジアムでの西条戦への期待は高まるばかりだ。
(文=寺下 友徳)
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土居 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 5 | ||||||
小田 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 |
土居:近藤雄飛-中村僚
小田:酒井翔平-宮本徹志
本塁打=近藤雄飛(土)(7回表ソロ・大会6号)