駿台学園vs二松学舎大付
二松学舎大付、2点リード守りきれず逆転負け
3回戦屈指の好カードは、駿台学園に軍配が上がった。二松学舎大付は9回、2点のリードを守りきることができなかった。
流れは完全に二松学舎大付だった。先発の背番号10番・村田拓実投手(3年)は、8回まで12奪三振。特に8回は2番から始まる打線を三者連続三振。3回の1失点も味方のエラーだった。
しかし9回。先頭バッターに四球を許すと、つづくバッターにも四球。「2人返っても同点なんだから1つ1つアウトを増やせ」がベンチからの伝令だった。「ただ、四球とエラーが絡んだら(勝ちは)無いと、部長と話していたところでもありました」(市原勝人監督)。その不安は的中する。伝令の直後の初球、バッテリーミス(記録はパスボール)が出た。3球目、代打・松宮一輝選手(2年)に同点タイムリーをレフト前へ運ばれた。
なおも無死一塁。村田は送りバント処理に慌て、ピンチが広がっていく。「もう1イニングあるんだから」という2度目の伝令も効果はなかった。1死一、三塁から打球はサードへ。打ち取った打球だったが、ホームへの送球がワンバウンドになり、駿台学園に決勝点を奪われた。「交代は考えませんでした。誰が投げても同じ結果になっていたと思います。ここで勝ちきれないのは力がないから。それが目に見えた9回だった」と、指揮官は厳しかった。
二松学舎大付のレギュラーは、村田と中島光太遊撃手(3年)以外は下級生だ。3番の石田大介中堅手は1年生。フルスイングが持ち味で、守備でも好プレーを見せていた。4番の山岸育捕手(2年)は強肩強打の好捕手だ。173センチ、80キロという数字だが、170センチ後半に見えるほど。チームは秋以降、間違いなく大会上位候補に挙げられるだろう。
市原監督は、下級生が多いことで生じるモチベーション維持の難しさを痛感したという。だが、駿台学園も9人中6人が下級生。ほぼ同じ条件下である。
「今のままでは神様も味方しないだろう。この敗戦を、選手たちがどう受け止めて勉強するか」。
(文=矢島 彩)