試合レポート

修徳vs都立足立西

2010.07.15

2010年07月15日 明治神宮野球場  

修徳vs都立足立西

2010年夏の大会 第92回西東京大会 3回戦

一覧へ戻る

三ツ俣(修徳)

修徳第一シードの貫録、序盤で勝負決める

第一シード校修徳は初戦だったが、硬さもなく貫録の戦いぶりだった。
 初回の修徳は、先頭の池田が右前打で出るとバントで手堅く進め2死二塁から三ツ俣が右中間を破る三塁打で先制。2回には七番根本の左翼へのソロで追加し、3回にも二番藤谷の右中間三塁打と2四球で満塁とすると、五番鳥海が左越二塁打してさらに2点。完全に主導権を握った。そして、4回には藤谷、鳥海の二塁打に六番飯野の右中間三塁打などで5点を加えて大量リードとした。
ただし、アクシデントもあった。投打の軸でもある三ツ俣が6回に足が攣りマウンドを退き遊撃に入った。ところが、そこへ難しい打球が来て、それを追いかけたところで再び足が攣ってそのまま退場。修徳ベンチも一瞬ヒヤリとする場面だったが、この試合は大事をとったものの事なきを得たようだった。

急遽リリーフのマウンドに立った高橋は、バント安打と中前打でピンチを迎えかかったが、後続を角度のあるストレートと変化球で打ち取って落ち着くと、7回はぴしゃりと抑えてコールドゲームを成立させた。

まずは順当な戦いで初戦を制した鳥山泰孝監督は、「初戦ですから、やはり慎重になりましたが入りとしては十分合格点です。三ツ俣は1球1球に集中し過ぎた結果の事故だったと思いますが大丈夫です。監督というのは、考えすぎるくらいにさまざまなパターンを想定していくのですが、初戦としては80点くらいと言っていいでしょう」と評価していた。

春季大会準優勝で関東大会へ進出したチームだが、そこからまた1ランク上がって逞しくなったという印象だった。アクシデントもあったものの、チームのムードもよく勢いが感じられた。三ツ俣投手は6回途中までで、被安打3。本塁打で2点を失ったものの、持ち前のスライダーは切れ味もよかったし、あっさりと6三振を奪っていたのはさすがだった。

 シード校に立ち向かった

足立西

は、2回戦で中堅校の

駒場学園

に快勝しているだけに、その戦い方が注目されたが、結果的には力負けという形になった。先発した背番号9の左腕中村は1年生だが、打順も四番でチームの柱となっている。久保隼人監督は、「中村先発は決して奇策ではなく、修徳さん相手には面白いと思ったんですが、やはり相手が1枚上でしたね。ただ、もう少し(投打ともに)粘れるかと思ったのですが…」と、残念そうだった。

 それでも、3回には九番佐藤良が初安打すると、一番四童子が内側の球をタイミングよくミートして右翼スタンドへ運ぶ2ランを放ち一矢を報いた。また、4回途中からリリーフしたエースナンバーを付けた内田は長打も許したが、5~7回は修徳打線を0に抑えて意地を示した。

 内野のダイヤモンドを取るのがやっとという狭いグラウンドで、毎日工夫しながら練習している

足立西

。週末には積極的に強豪校と練習試合を組んで作り上げてきたチームである。打たれてしまった結果、スコアとしてはコールドゲームとなってしまったものの、守りで崩れることはなく、しっかりと練習を積んできているチームだという印象を与えるに十分の内容だった。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.26

新潟産大附が歓喜の甲子園初出場!帝京長岡・プロ注目右腕攻略に成功【2024夏の甲子園】

2024.07.27

昨夏甲子園4強・神村学園が連覇かけ鹿児島決勝に挑む!樟南は21度目の甲子園狙う【全国実力校・27日の試合予定】

2024.07.26

名将の夏終わる...春日部共栄・本多監督の最後の夏はベスト4で敗れる【2024夏の甲子園】

2024.07.26

報徳学園が3点差をひっくり返す!サヨナラ勝ちで春夏連続甲子園に王手!【2024夏の甲子園】

2024.07.26

「岐阜県のレベルが上がっている」県岐商が2年ぶりの決勝進出も、岐阜各務野の戦いぶりを名将・鍛治舎監督が称賛!【24年夏・岐阜大会】

2024.07.25

まさかの7回コールドで敗戦...滋賀大会6連覇を目指した近江が準決勝で涙【2024夏の甲子園】

2024.07.24

享栄、愛工大名電を破った名古屋たちばなの快進撃は準々決勝で終わる...名門・中京大中京に屈する

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.21

名将・門馬監督率いる創志学園が3回戦で完敗…2連覇狙う履正社は快勝【近畿・中国実力校20日の試合結果】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」