長良vs不破
新木(長良)
長良の2年生投手2人に注目!
ややクリーム色がかった白地をベースに、胸文字などでチームカラーの濃緑が入る長良高校のユニフォームは美しく、個人的に気に入っている。岐阜地区にあり、進学校でありながら野球も強い。
長良の先発は2年生の新木駿。グラウンド状態が悪いのを気にかける様子もなく、打たせて取る大人の投球で7回を完封した。圧倒的な迫力はまだないが、変化球を効果的に使い、三輪一弘監督も「低目に丁寧に投げていた」と認める投球で、危なげなく初戦突破を果たした。この新木、投手だからか打順は8番だが、バッティングもセンスがいい。初回に先制の右越えタイムリー二塁打を放ったのを皮切りに、以降の打席も芯で外野まで飛ばしていた。
一方で、ブルペンで投げていた長良の2年生控え投手・背番号10の幾野充洋にも目がいった。リリーフ役の幾野はこの日、チームのコールド勝ちもあってブルペンで肩をつくるのみだったが、素質としてはいいものをもっていると感じた。
182センチの長身から、スリークォーターの角度で威力のあるストレートを投げ込む。試合後に本人に聞いたところ、元々はサイドスローだったとか。どうりで、腕を振る際、やわらかくヒジから前へ出していけるはずだ。
球速は130キロ前後は出ているはずで、体の成長とともに130キロ台後半~140キロが望める器だ。
長良は、過去数年だけを振り返っても纐纈祐樹、砂川公人、小豆畑眞也などの大型選手が「有望選手」と呼ばれクローズアップされることが多い気がする。幾野も続きたい。
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不破は、部員が10人のみで、その内訳は3年生が2名、2年生も2名、あとの6名が1年生。それでも、序盤に関して言えば、部員不足を感じさせないくらい、長良によく食い下がった。
中でも3年生の主戦若山佑介はストレートにまずまずの力があり、気持ちを強くもって投げ込んでいるのが見て取れた。フィールディングの動きも素早く、打っては痛烈なライナーを放ってみせるなど、もう一人の3年生・捕手多田圭佑とともにチームを引っ張ってきたのがプレーから分かる。
それだけに不破としては、守備も乱れた4回表の4失点が悔やまれるところ。以後も全体的に浮足立ち、中村正監督が「雑な動きが出たのが残念」と振り返る結果になってしまった。
不破は、08年の夏の大会初戦で、優勝候補の一角と目された帝京可児から殊勲の勝利を挙げたこともあり、決して地力のないチームではない。09年、そして今年と、夏の大会初戦は1点も取れないまま終わってしまったが、来年こそは。
(文=尾関 雄一朗)
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長良 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | 1 | 2 | 8 | ||||||||
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不破 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
長良:新木―森 不破:若山―多田