川島vs脇町
![](/images/report/tokushima/20100710003/photo01.jpg)
國岡祐樹(脇町)
これぞ甲子園経験の成果!川島、5点差覆す大逆転勝ち!う
2回裏、脇町は
川島先発の東谷祐希(3年)に対し、9番・尾形賢一(2年)の満塁走者一掃2塁打を皮切りに5安打を浴びせる猛攻で5点を先制。しかし、
川島も脇町先発・國岡祐樹(3年)の球威が落ちた6回に1点、7回には打者10人を送り込み4点を返して同点に。白熱の好勝負は9回、途中出場の藤本純平(3年)タイムリーで勝ち越した
川島が制したが、選抜大会出場の
川島に全く臆することなく攻め続けた脇町も賞賛に値する内容であった。
正直に告白する。2回途中で相手のスコアボードに「5」が入り、エース東谷祐希(3年)がマウンドを降りた時点でこのコラムは「
川島の初戦敗退」について触れねばならないと覚悟していた。加えて脇町のマウンドに立ちはだかるのは、実に7球団のスカウトがネット裏で見守る最速145キロ・プロ注目の187センチ大型右腕國岡祐樹(3年)。これまで驚異的な成長曲線を示してきたさしもの彼らも、この大量点差を跳ね返す力はないと思ったからだ。
しかし
川島ベンチは誰もが、全くあきらめていなかった。まずは「点を取られようが、守備が乱れなかったら相手にリズムを与えることはない」(藤畠慶祐主将)野球のセオリーに基づく堅実な守備と、「鴨島東中の先輩である東谷を見習って低めにコントロールするようになった」(北谷雄一監督)西岡慎矢(2年)の好投で脇町の勢いを食い止めると、右ひじの痛みをおしてこの日の登板に合わせてきた國岡のスタミナ切れを予測し「早打ちしないで粘り強くやる」打撃で、6、7回で國岡のスタミナを奪うことに成功。しかも、その好機を演出したのは昨秋の時点では戦力になっていなかった緒方聡志と、ここにきて著しい成長を見せる大平祐輝の2年生であった。
かくして國岡をついにマウンドから降ろした
川島。続いてマウンドに上がった田中将之(3年)に対しても、6月の県高校総体協賛ブロック大会では低めで打ち取られた教訓を活かし、真ん中に的を絞っての狙い撃ちを徹底。こうして同点に追いついた彼らをさえぎるものはもう何もなかった。
かくして9回に勝ち越した際には「選手が非常にたくましくなったと思いながら泣いていた」という北谷監督にとっても、「3年間ではじめて夏に勝てた」(藤畠)選手たちにとっても待望の夏1勝を手にした
川島。この後に想定される対戦相手を見ても脇町戦同様の接戦から免れることはなさそうだが、秋の県大会のように「一戦必勝」の心意気で臨み、甲子園で得た経験値を発揮する頭の回転を止めなければ、「川島物語」はさらにそのページを増やしていくことになるだろう。
(文=寺下 友徳)
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川島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 1 | 6 | ||||||
脇町 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
川島:東谷祐希、西岡慎矢-南優希 脇町:國岡祐樹、田中将之、國岡祐樹、橋本侑磨-逸見卓也