鳴門工vs徳島城南
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鳴門工・田中沢篤投手(2年)
両校に収穫があった「テストマッチ」。
8チームが参加した「徳島県高等学校総合体育大会協賛 高校野球ブロック大会」中央Bブロックのトーナメント初日は、過去に春4回、夏6回の甲子園出場。里崎智也捕手(千葉ロッテ)をはじめ過去から現在に至るまで数々の名プレーヤーを輩出している鳴門工のグラウンドで開催された。とはいえ、同校のグラウンドは常設フェンス付きの両翼100m、バックスクリーンが常設された中堅は122mという「球場」と言っても差し支えない広大なものである。
その第1試合に登場したのは俊足の左打センター、三倉健(3年)など豊富な人材を擁しながら春季県大会ではまさかの初戦敗退に終わった鳴門工と、同じく春季大会では徳島商を初戦で破りながら続く富岡西戦では惜敗に終わった徳島城南。鳴門海峡にも近く、ライトからレフト側へ徐々に強い風が吹く中、両校がどのような布陣で臨むかが注目された。
鳴門工の先発は旧チームからのエースであるサウスポー大橋直也(3年)でも、大橋に次ぐ存在である右腕の丸橋俊介(3年)でもなく2年生右腕の田中沢篤であった。
そして大橋がレフト、丸橋がショートから見守る中、田中(沢)は182センチの長身からコントロール重視のピッチングで6回3分の1を7安打5失点。9番・ライトで先発出場し「度胸がある」(高橋広監督)2盗塁と好走塁を見せた花田渉(1年)と共に、一定の評価を与えられる出来だったといえよう。
一方、レギュラー捕手をけがで欠いた徳島城南も春の県大会ではファースト、ライトで先発していた2年生サウスポーの奥浦康平が先発し8回4失点(自責点3)。打撃では2回、逆風をものともせずライトに運んだ先制アーチも放ち、夏以降は投打の柱となることを確信させる活躍を示した。
試合は鳴門工が7回裏、田中(沢)をリリーフし徳島城南に逆転を許した大橋が、9回表の逆転2点タイムリーで自らのミスを取り戻して6対5で徳島城南を下したが、夏に向けての「テストマッチ」という意味では、両校共に収穫多き内容であったことは違いない。
(文=寺下 友徳)
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