試合レポート

仙台育英(宮城1位)vs東日大昌平(福島2位)

2010.06.12

2010年06月12日 岩手県営球場

仙台育英(宮城1位)vs東日大昌平(福島2位)

2010年春の大会 第57回春季東北大会 準々決勝

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(東北大会:仙台育英vs東日大昌平)

夏に向け、自信を付けたサウスポー!!

 唇を噛みながら、東日大昌平

の引地航(3年)は戦況を見つめていた。
「調子は悪くないと思うけど、相手の方が一枚上手だった」。試合後、こう振り返った引地。練習試合を何度もしている仙台育英

打線に初回、やられた。1番・三瓶将大(3年)に3球目をライト前に運ばれた。2番・日野聡明(3年)は当然送ってきて、迎えるは3番・佐藤貴規(3年)。10日の1回戦後、「貴規と井上が。特に貴規には打たれている記憶しなかい」と話し、警戒していた。

佐藤貴に初球を投じる前、二塁にけん制したが、そのボールはセンターに転がっていき、走者を簡単に進めてしまった。1死3塁でライト前にはじき返され、あっさり先制を許した。さらに、警戒していた4番・井上信志(3年)に左翼線を破られ、1死2、3塁から5番・木村謙吾(3年)がライト前タイムリー。この回、2点を失った。それでも、「点取られてから気持ちが入った」と、2回から7回までは無失点。6回には2死満塁のピンチを切り抜けた。1点差で追っていたその裏、仙台育英

の先発・田中一也(3年)の暴投で同点に追いついた。

しかし、気温は30度近くでむせる暑さが体力を消耗していた。8回、井上が執念のヘッドスライディングで出塁し、木村犠打で1死2塁。6番・嵯峨日明(3年)の打球はセンターの頭上をわずかに越え、勝ち越しを許した。さらに、佐々木憲(3年)がセンターへ犠牲フライ。
「8回まで持たない。9回まで持たせる体力が課題」と引地。その裏、自ら先頭として二塁打を放ち、代走が送られた。ブルペンでダウンのキャッチボールをしながら奇跡を信じた。9回裏、仙台育英

2番手の木村を攻め立て、味方は1点差まで追い詰めたが、万事休した。

 165センチ、65キロとピッチャーとしては小さい。だが、マウンドでの存在感は大きい。10日の初戦・花巻東

戦。「ちゃんと思ったところにいって、楽しくて」と笑顔で投げ続けた。その結果、創部11年、春秋4回目の東北大会でチームに初勝利をもたらした。
福島県大会後、投球フォームを修正した。昨秋以降に身につけたヤクルト・由規を意識したフォームでは、テークバックが大きくなり、持ち味の緩急をつけられなくなった。元のテークバックが小さいフォームで投げていた時のビデオを見たり、チームメートに聞いたりしてフォームを取り戻した。

 そして、東北大会初戦で3安打完封。「ストレートと変化の緩急差を聖光学院

(福島決勝)でつけられず、打たれた。今回は出来て、打ち取れた。少しは成長したと思う」とはにかんだ。「まだしっくりきていないけど、よくなっている」と手応えをつかんだ。
最速は「125キロくらい」だが、カーブ、スライダー、ドロップ、チェンジアップを操る技巧派左腕。柔らかい、いわきなまりが愛くるしい。癒しは愛犬のゴールデンレトリバー「コロンちゃん」と戯れること。「試合前の夜と朝に触ってくるんです」と、目尻がさらに下がる。
2回戦で強豪に敗れはしたが、「あんだけ打つバッターがそろっていて、初回と8回以外は自分のピッチングが通用するところがあった」と、本番の夏に向けて手応えをつかんだ。福島は今、県内公式戦45連勝中の聖光学院

一強時代。それを打ち破るために十分な自信を、いわきに持ち帰った。

(文=高橋昌江)


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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