佐久長聖(長野4位)vs新潟明訓(新潟1位)
![](/hb/images/report/zenkoku/20100606004/photo01.jpg)
完封勝利・高野(佐久長聖)
佐久長聖・高野が3安打完封勝利
「球の威力? ないでしょう。球のキレ? ありましたか? 平凡だと思うんですけど」
佐久長聖・中村良隆監督がそう言って苦笑いするエース・高野悠希が新潟1位の新潟明訓を3安打に抑えて完封勝ち。優勝した昨春に続く2年連続のベスト4入りを決めた。
176センチ、77キロの高野は右の上手投げ。
球速も130キロそこそこ。
変化球もほとんどがスライダーのみ。
中村監督が言うようにオーソドックスな投手だ。
それでも抑えられた要因は何か。
ひとつは、内角へ投げ込む制球力。
初回、味方の失策と四球で招いた1死一、二塁のピンチでは、四番・間藤諒に対してスライダーで追い込んだ後、カウント2-2から最後は内角ストレートで見逃し三振を奪った。
「(打者に)当てる気でインコースは投げてます。あそこにいってくれてよかった。コントロールには自信あります」
言葉通り、高野はこの試合で投じた108球のうち、73球がストライク。
常にストライク先行のため、投手有利で進めることができた。
もうひとつは、テンポのよさ。
ストライク先行のうえ、テンポを速めることで、自分の間で投球することができた。
「それまではテンポがゆっくりだったんですけど、冬のブルペンで練習しました。打者が構えるときに『もう来るのか』と思わせる。あまり考えさせないようにするためです」
言葉通り、考える間を与えず凡打の山を築いた。
試合時間はわずか1時間34分だった。
走者がいなくてもセットポジションから投げる高野。その意図を聞いてみた。
「セットから投げる時点で、スピードは意識してないですね。球を速くしようとはあまり思ったことがない。やっぱり、最後はコントロールじゃないですか」
スピードがあるからいい投手なのではない。
三振を多く奪えるからいい投手なのでもない。
いい投手とは、点をやらない投手、勝てる投手。
高校生投手のお手本となる、高野の投球だった。
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新潟明訓 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||||
佐久長聖 | 1 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 4 |
新潟明訓:神田健、町永、池田-間藤 佐久長聖:高野-大井