高岡商(富山2位)vs上田西(長野2位)
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鍋田(高岡商)
昨秋チャンピオンの高岡商が貫禄勝ち
勝負を分けたのは外野の守備力だった。
初回、高岡商の先制点のきっかけとなったのは、1死からの鍛冶のセンター後方へのフライ。上田西のセンター・宮澤が追いつきそうだったが捕れず、三塁打にしてしまった。
「風があったのでポジショニングに気をつけていたんですけど……」(宮澤)
6回も1死からレフト・罍がレフトフライを後逸して二塁打にしたのがきっかけ。山本が四球、土屋がセンター前安打で1死満塁となった後、柴田のセンター前安打を今度は宮澤が弾いて3人の走者が全て生還。結果的にこれが響いてしまった。
見た目にはわかりづらいが、実は、[stadium]長野県営上田野球場[/stadium]の外野の芝生はデコボコ。ゴロが跳ねる可能性は高い。だが、上田西は地元の学校。初めて使う球場ではないのだから、言い訳はできない。
「秋に野沢北とやったときも、2死二塁でセンター前ヒットがイレギュラーして、グローブの土手に当てて(エラーを)やってしまったんです。今日も、打球が来たときに前に出ようか、待って後ろで合わせるか迷ってしまった。踏ん切りがつきませんでした」(宮澤)
失点にはつながらなかったが、3回にも先頭打者の9番・向山のレフトフライを罍が捕れず、二塁打にしている。風に加え、太陽がまぶしい位置あったとはいえ、これは事前に確認できる情報。山寺監督によれば、「レフト、センターとも、どちらかというと打撃より守備要員」だけに、残念な守備だった。
「普段の練習の意識が低かったと思います。(選手の)層が薄いので、下から追い上げるというのがない。切磋琢磨するというのがなかったかもしれません」(宮澤)
強豪とそうでない学校と大きく差が出る部分のひとつが外野守備。浜風の強い甲子園に行けばなおさらだ。
だが、幸い、まだ春の大会。
上田西には両翼98メートル、センター122メートルという立派なグランドもある。夏に同じ失敗をしないよう、修正して臨んでもらいたい。
(文=田尻 賢誉)
(写真=鈴木 崇)
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