名西vs鳴門第一
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名西・上崎健太投手(3年)
「コールド負け」から「コールド勝ち」へ
春の県大会では選手9人のみで戦った名西。181センチ68キロの恵まれた体格をいかし、常時130キロ後半の伸びのある直球とスライダーに目を見張るものがあり、1回戦では阿南工にも競り勝った右腕・上﨑健太(3年)の存在は際立っていたが、2回戦で4回まで接戦を演じながら5回裏に8点を失い、コールド負けを喫した阿波戦に象徴されるように、守備力とメンタル面に大きな問題を抱えていた。
しかしこのゲームでは一転、相手が「投手2人が故障中で、今日は一番肩の強いセンターの信田知希(3年)を投げさせざるを得なかった」(鎌田智仁監督)とはいえ、昨夏準優勝の鳴門一を攻守共に圧倒して7回コールド勝ち。わずか2ヶ月の期間で彼らは劇的な変化を果たしたのである。
その要因の1つには今年4月池田から転任、小松島監督へと転任した豊富尚博氏からチームを引き継いだ矢川雅英監督の存在があった。選手たちには、ハートを大切にする豊富監督の指導方針を大事にしつつ「もっとやれる力があるよ」と「ポジティブな考えを引き出す」作業に着手。
同時にランナーをおくと上体に頼りすぎて痛打を浴びていた上﨑にも下半身を使って球持ちをよくするフォーム改造を行い、7四死球を与えながらも7回を2安打完封する好投に結びつけた。
「部員も15人になって活気が出てきた」とは「肩の力を抜いて低めに投げるようにしている」上﨑の談。徳島屈指の好投手を看板に日に日に自信を手にしている名西は夏の徳島大会でも台風の目となりそうだ。
(文=寺下 友徳)
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