岡山東商業(岡山)vs光(山口3位)
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岡山東商業 星野大地投手
流れを変えた147キロ右腕の投入
2回に1点を失った岡山東商業。 光 の左腕・岡本賢人(3年)の投球術に苦しみ、中々同点にできないでいた。7回表、先発していた人見公規(3年)のところに打順が廻る。槌谷信行監督は代打に控え投手である星野大地(3年)を送った。「左投手だったので、彼しかなかった」。
この代打策は失敗に終わるが、マウンドにはその星野が立った。
「(いやな流れの)雰囲気を変えたくて、三振を取りに行った」と気合十分のピッチングで、7回裏の光を三者凡退に打ち取った。
8回表、3番秋山倫範(3年)が犠牲フライを放ち、ついに同点に追いついた岡山東商業。
「星野が出てくれば大丈夫。そんな雰囲気がある」と指揮官が語るように、今春147キロを計測したという右腕は、持ち味のテンポがさらに良くなった。
試合は延長へ。10回表、二度目の打席が廻ってきた星野は、槌谷監督から「真っすぐがきたら思い切り振れ」とアドバイスを受けた。
初球の変化球を見送り2球目、思っていた直球が来た。
「思い切り振ったらバットに当たった」という星野に手ごたえはなかった。しかし打球は手ごたえに反してレフトスタンドへ。
「レフトの選手が追うのをあきらめたで入ったんだなと思いました」とはにかんだ星野はダイヤモンドを一周した。
「この1点で大丈夫」。そう確信した右腕はその裏を三者凡退。終わってみれば4イニングパーフェクトなピッチングだった。
「星野は疲労が溜まっている状態なので、点差が3点くらいならば負けていても使う予定はなかった。人見がよく1点で凌いでくれました」と話した槌谷監督。
「正直疲労は溜まっています。でも試合になったら関係ないです」とあっけらかんとした表情の右腕。
準決勝の相手は広島工業。「明日も投げさせてもらえれば今日のようなピッチングをしたい」と連戦に目を見据えた。
(文=松倉雄太)
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