名護商工vs八重山商工
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左から・大嶺・花城(八重山商工)
名護商工が大城翔の好投で金星
「このチームは史上最悪だよ」
試合前、伊志嶺監督がそう話していたのを象徴するかのように、八重山商工は悪いところばかりが出てしまった。
初回、先頭の高吉がセンター前安打で出塁するが、二番・本村がバント失敗。さらに盗塁も刺されて結果的に3人で攻撃を終了した。これが響いたのか、2回には1死から先発の上盛が饒平名に手痛い一発を浴びる。打撃フォームからして、「そこしか打てないだろう」というコースに投げての本塁打で先制を許した。その裏にも先頭の大嶺がセンター前安打で出るが、続く當銘はエンドランをファール、バントを失敗した後に三振。さらに早川は投手ゴロ併殺に倒れた。
ようやく3回に1死から四球で出た田中が盗塁に成功した後、田中がライト線に三塁打を放って同点とするが、続く大嶺はストレートを3球空振りして三振。同点止まりに終わる。
この大嶺はともにロッテ入りした祐太、翔太兄弟のいとこ。2年春に退部したものの、1週間前の金曜日に復帰。その週末の練習試合で17打数11安打2本塁打と大当たりしたのが認められての四番だった。
「変化球待ちだったんですけど……。あれで配球を思い出しました」(大嶺)
前の打席ではスライダーをセンター前に運んでいる。打たれた球は投げないという配球だったが、試合勘が鈍っていたがゆえ、読みきれなかった。
7回には大嶺が二塁打、當銘が死球で1死一、二塁の好機を作るが、途中出場の屋良部がショートへの併殺打。これで流れを失うと、8回はエースの花城が先頭の投手・大城翔に右中間二塁打を許す。一番・松田のレフト前安打で一、三塁となった後、二番・眞喜志にはスクイズを2度ファールさせるが、カウント2-1から高めに浮いたストレートをセンターまで運ばれた(犠飛)。
「(大城翔に打たれたのは)なめてました。(犠飛は)サインが高めの球だった。もっと話し合ってやらないと……」(花城)
その裏には、2死からセンター前安打で出た花城が盗塁を失敗。盗塁やエンドランでかき回す自分たちの野球を最後までできなかった。
「金曜が移動できのうが雨(中止)。このチームは休むとダメ。練習してないと対応できないんだよ。春のベスト4なんて、運。ありえないよ」(伊志嶺監督)
甲子園出場時に比べてやや短くなったとはいえ、八重山商工は朝練から放課後の練習まで、長い時間を費やして鍛える叩き上げのチーム。以前より選手の質が変わっているとはいえ、2日間のブランクは大きかったようだ。
名護商工はエース・大城翔がスライダーを武器に散発5安打に抑える好投。四球、死球ともに1つのみで、コーナーを丁寧につく投球で1失点完投した。球速はないが、安定した制球力とキレのいいスライダーがあり、夏も早い段階で当たると手ごわい投手になりそうだ。
(文=田尻 賢誉)
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