試合レポート

岐阜商業(岐阜1位)vs静岡(静岡1位)

2010.05.23

2010年05月22日　小牧市民球場　

岐阜商業(岐阜1位)vs静岡(静岡1位)

2010年第57回春季東海地区高校野球大会準決勝

サヨナラのホームへ向かう泉田(県岐商)

県岐阜商、延長11回サヨナラ勝ちで決勝進出

　２試合続けての、延長サヨナラ試合となった。
前日は２―10であわやコールド負けという状況から８回に追い上げ９回に逆転サヨナラ満塁本塁打で勝った県岐阜商。結果的には２試合続けてのサヨナラ勝ちとなった。

初回、静岡は一番高階が初球をいきなり本塁打。１球で先制したが、その裏県岐阜商は四番井貝のタイムリーですぐさま追いつく。すると、静岡は２回にも２死走者なしから七番小林が左翼へソロ本塁打して再び突き放す。これに対して、県岐阜商も３回、初回とほぼ同じようなシチュエーションで２死二塁に出口を置いて井貝がタイムリー打で返した。

ここまでの展開を見ていると、ある程度点の取り合いになるのかなとも思われたが、試合はここから両チームの背番号10をつけた先発、県岐阜商の櫻田、静岡の竹内旭との投げ合いとなっていった。櫻田は左オーバーハンドで、自分の投球リズムを作るとポンポンとストライクを執って追いこんで９テンポがよくなった。

竹内旭は体をやや三塁側に倒すようにして投げる変則の右サイド気味の投手だが、山路捕手のリードもあって強気に内側を思い切ってついていた。それほどスピードや球威がなくても、丁寧にインローを突いて行けば、それほどは打たれないという見本のような投球だった。

　こうして、お互い決定的な場面を迎えることはなく試合が進んでいき、静岡は３回以降、県岐阜商も４回以降三塁を踏むこともなく試合は進んでいき９回を迎えた。県岐阜商は２死ながら三塁とし一打サヨナラという場面を迎えたが、ここは竹内旭投手が踏ん張った。

　延長に突入して10回は静岡が２死から死四球で一二塁としたが、櫻田が抑えた。そして、11回は松田がリリーフして危なげなく３人で抑えた。その裏、県岐阜商は泉田が中前打で出ると、バントで進め２死二塁となってから、途中出場の福田が右前へサヨナラ打を放って熱戦に終止符を打った。福田は、背番号５ながらこの日は控えに回っていたが、「打撃が不調でベンチスタートとなりましたが、いつでも行けるように準備はしていました」と言うように、２打席で２安打、最後にいい仕事をして存在を強烈にアピールした。

　２日連続のサヨナラ勝ちに、藤田明宏監督は、「チームとしてはまだまだ手探りで何が出来るのかを確認している状態です。チームとしてもまだまだ伸びていかれるチームだと思います。昨日は不甲斐なかった投手陣が、わずか１日で今日はよく修正してくれました。東海大会という緊張感のある公式戦を詰めるということはいい経験になります。県岐阜商としても久しぶりになるので、優勝したいですね」と夏を見据えながら、決勝にも意欲を示していた。

（文＝手束仁）

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