今治西vs小禄
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佐々木裕弥(今治西)
今治西、「自信回復」への第一歩踏み出す!
昨秋は四国大会を制し明治神宮大会もベスト4へ進出。しかし先のセンバツでは 三重 の前に初戦サヨナラ負けで散った 今治西 。誰もが沈痛な表情を浮べた試合後のインタビュールームは、自信を胸に大舞台へ乗り込んだ彼らが受けた衝撃の大きさを端的に物語っていた。
その後も 今治西 は 野村 とのチャレンジマッチでは4対3と辛勝したものの、 春季四国大会 では 岡豊 に2安打で2点を失い初戦敗退となかなか昨秋のイメージを取り戻せていないのが現状。よって名前に「親善交流」が付く 小禄 戦といえども、「自分たちとしては夏に向けて勝つまで戦う中での通過点」(大野康哉監督)と位置づけているチームにとっては自分たちの持ち味を発揮し全力で勝ちに行くべき戦いである。
その意気込みは1回裏から結果となって現れた。センバツではエースナンバーを背負うも、この試合では1番・レフトに入った日野玲央奈(3年)がいきなり3塁打で出塁すれば、3番・合田亮弥(2年)の3塁打と5番・倉渕俊の内野安打で2点を先制。その後も8安打全てを得点に活かした効率的な攻めは、好機を逃さず得点を重ねた昨秋の片鱗をうかがわせた。
一方、これまでは3番手的存在、センバツではワンポイントリリーフで退いた佐々木裕弥(3年)も8回3分の2を1失点、自責0の好投。「崩れなかったことが不思議、スキだらけ」と指揮官の採点は極めて辛口であったが、137球のうち7割程度をストレートで押す強気一徹の投球スタイルは、チーム内に今後大きな刺激を与えることは間違いないだろう。
試合後には「足りない部分が多いと言わざるを得ない」とさらなる高みへの課題を口にした大野監督。それでもチャレンジマッチ後に「今日は選手たちに励まされた」としみじみ話した時とは対照的な鋭い眼光は、この試合が昨秋手にした自信回復への第一歩となったことを如実に表すものであった。
(文=寺下 友徳)
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