横浜創学館(神奈川2位)vs修徳(東京2位)
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五木田(横浜創学館)
辛抱の横浜創学館、終盤に逆転し逃げ切り
この春はブロック予選から勝ち上がって東京都大会準優勝の 修徳 。試合をしながらチーム力を整備していったという感じだったが、12年ぶりとなった関東大会が一つの結果として評価されていいのであろう。このチームは、鳥山泰孝監督が就任したときに入学してきた生徒たちが3年生になったということもあり、鳥山監督としても思いは特別なところがあるのかもしれない。チームのモットーとして、「自立、団結、決定」を掲げて作り上げてきた。
修徳 は初回、1死後二番池田が右越二塁打すると、菊入の右中間三塁打で返し先制。三ツ俣も右線三塁打してこの回2点が入る。三ツ俣は4回には左越ソロを放ち、背番号6ながらエースで四番という立場といってもいい三ツ俣は投打にフル稼働していた。 ストレートは142~3㎞/hで球の回転もいい。4回は無死満塁とされながらも内野ゴロの間に返しされた1点のみに抑えていた。こうして、序盤から中盤は完全に 修徳 の流れの試合だった。
それでも、横浜創学館は辛抱しながら食い下がっていた。5回にも一番井村の左中間二塁打と木村のタイムリー打で1点差とした。さらに四番長尾が二塁打してチャンスを広げたが、ここは三ツ俣が踏ん張った。しかし、これが長尾の次の打席につながったようだ。
2死二塁で迎えた7回、長尾の4度目の打席はフルカウントから内側少し甘めに入ったところを捉えて、右翼へ逆転2ラン。さらに横浜創学館は8回にも、2死から内野、遠藤の八、九番が長短打。井村も左越二塁打して、結果的にはこれが決勝打となった。三ツ俣投手としては、前半はやや制球に苦しんだ得意のスライダーが後半に決まり出して、スイスイと行こうとしたところを横浜創学館の粘りのある打線に捕まった。
横浜創学館は五木田投手も粘り強く踏ん張って、9回2点を追い上げられさらに一打逆転という場面にもなったが、何とか凌ぎ切った。抑えられながらも逆転した森田誠一監督は、「こんな試合もあるんですね。8回には打撃では一番期待していない二人が打つんですからね。相手投手はいい投手で、最初は全く打てませんでしたが、最後までこのままいくということはないだろうから、どこかで崩せるんだということは言っていました。長尾は歩かされるかと思ったのですが、勝負してきたところをすかさずよく打ってくれました」と振り返った。
序盤のリードをキープしきれなかった 修徳 だったが鳥山監督は、「3―0になっても油断していませんでしたし、逆転されても誰も諦めていませんでした。こうした舞台に出られて、こういう試合が出来たことでまた一つ精神的にも強くなっていかれると思います。選手たちは夏へ向かって、もっと成長していかれると思います」と、夏へ向けて力強く熱い思いを語った。いいチームになっているという印象を残してくれた。
(文=手束仁)
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