報徳学園vs神戸国際大学附
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優勝を決め雄叫びをあげる大西投手(報徳学園)
報徳学園、神戸国際大附を破り4年ぶりの優勝
「秋に16(強)で終わったチームが良くここまでできた」と報徳学園・永田裕治監督は頬を緩ませた。先発は「気持ちの強さにかけた」という2年生の中尾太一。気合十分のピッチングで1回を三者三振と最高の立ち上がりを切った。
先制は2回、5番浦崎裕理(3年)の一発によるもの。これで気持ちがさらに乗った中尾は4回まで 神戸国際大附 を1安打とほぼ完璧な内容。しかし5回、9番大川賢人(2年)にタイムリーを浴び同点に追いつかれる。
それでもここからが報徳の真骨頂だった。その裏1死から9番長谷場隆(3年)が死球で出塁すると、1番八代和真(3年)の犠打の間に相手の隙をついて3塁まで進む。ここで2番谷康士朗(3年)がタイムリーを放ち1点を勝ち越した。
7回に再び同点に追いつかれた報徳。その裏、先頭の中尾の所で代打・梛木隼摩(3年)を起用すると、国際の捕手・福田優人(3年)の打撃妨害を誘い出塁。これを犠打と内野ゴロで3塁まで進め、再び谷のタイムリーで再び勝ち越した。
8回からはエース・大西一成(3年)が登板。ピンチを招きながらも何とか2イニングを凌いで、4年ぶりの春優勝をもぎ取った。
チームは現在、5月の連休恒例の強化合宿中で仕事が休みのOBもたくさん駆けつけている。そのOBが代わる代わるノックを打ち、前日には大会中にも関わらず300球のノックを受けた選手もいるという。「正直、体はかなり疲れている。でも相手( 神戸国際大附 )のユニフォームを見て、試合が始まると疲れは吹っ飛びました」と殊勲打の谷は話してくれた。
秋にはまったく見られなかった報徳伝統の粘りが見えたこの決勝。首脳陣にも叱咤され、悔しさから大泣きしていた選手たちが、この冬場で逞しくなった。夏へ向けて、県大会優勝というタイトルを得たことを更なる自信と繋げるべく、強化合宿は5日まで続く。
【神戸国際大附】
1点差で敗れ秋春連覇はならなかった。4試合連続で先発した2年生左腕の大川賢人は7安打3失点と粘ったが、攻撃でチャンスを生かしきれなかった。
「やっぱり打線」と岡本健主将(3年)は振り返った。この決勝では8安打を放つも散発。エースで4番の岡本を欠いているとはいえ、打線が繋がらない点が青木尚龍監督にとっても、もどかしい。特に期待をかけているのが中軸に座る田中克、石井利典、尾松延泰の2年生たち。「良いものを持っている選手だが、もう少し弾けてほしい」と指揮官は話す。この決勝も田中と石井がそれぞれ1安打ずつだった。
「(3失点の)大川は責められない」と話す岡本主将の腰の状態も良くなってきている。この連休明けからは本格的に実戦復帰する予定。
報徳学園・永田監督は「(今日戦って)岡本君抜きでも、やっぱり 国際 は強い」と実感している。敗れたとはいえ、夏の本命に 神戸国際大附 の名前が載るのは間違いない情勢だ。
悲願の夏初出場へ、後は得点力アップ。「高校生は1ケ月あれば変わる。夏まで2カ月あるが、この1カ月が勝負です。夏にはやり返します」と青木監督は巻き返しを誓った。
(文=松倉雄太)
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