法隆寺国際vs畝傍
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津田(法隆寺国際)
試合の流れを変える人間力!
「流れを変えるのは彼しかいないと思った」と法隆寺国際・村井博樹監督。故障上がりの津田をマウンドへ向かわせたのは5回表の、5点ビハインドを負ったあとのことだった。村井監督は力を込めて言う。
「津田は人間性が抜群なんです。勉強の成績はいいし、日常生活もきちっとできるし、人のこともすごく気にかけることができるし…。こういう試合の中で、流れを変えてくれるのはこういう子しかいない。そう思って、送り出したんです」
5回表の畝傍の攻撃を無失点に抑えると、その裏の打席ではチーム初安打となる左翼前安打で出塁。3得点の口火となった。試合の流れを引き寄せた津田の活躍でチームは蘇ったのである。
「授業中に寝ないとか、友達を気遣うとか、ゴミ拾いもそうですね。自分律するために、いろんなことに気遣ってきたことが、試合に出るというのを実感しました。マウンドに登った時は、チームが少しばらばらになりかけていた時だったんで、自分が思いきりプレーをして、なんとかしたかった」 津田はそう振り返る。
6、7、8回を三者凡退でピシャリ。同点に追いついた後の8回裏に、津田が右中間二塁打を放ち好機を作ると、2番・溝留の適時打で生還した。9回表は、先頭を四球で出すも、相手が敢行した送りバントが小フライになったところをダイビングキャッチし、併殺を決めた。
打って、投げて、守って、津田がチームを引っ張り、試合をモノにしたのだ。
「津田は日ごろからの取り組みが良い選手なので、彼の活躍は日ごろの生活から考えると当然出た結果なのだと思います。他の選手も津田の日ごろをみているので、津田が投げて、ヒットを打って、それに乗せられた。本来はガッツポーズをするスタイルを僕は好まないのですが、選手たちの気分がのっていたこともあったので、任せました。選手たちはよくやりました」
怪我を負いながら、腐らずに復帰を目指した彼の姿勢と日常生活の取り組み。人間性に長けた津田の活躍は、「野球以外」の取り組みに力を入れるチームにとっても、貴重な勝利となった。
(文=氏原英明)
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