中京大中京vs豊田西
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中京大中京・浅野
控え選手らも活躍!負けない中京大中京!
愛知県春季大会は1日、岡崎市民球場で準決勝2試合が行われ、東邦と中京大中京が決勝に駒を進めた。
東海地区の王者といっても過言ではない中京大中京が、主力を欠く中、チームのまとまりと持てる力を示した。
3回戦の 愛産大三河 戦で左ヒザを負傷した主将の磯村嘉孝はこの日も欠場。藤浪大輔、福島大剛もケガで試合に出られない。ベストから程遠い状況下で、レギュラー陣に代わってスタメンに入った選手が活躍を見せたのだ。
初回、小木曽亮が先頭打者ヒットで出塁すると、磯村に代わって4番に入った2年生堀井保裕がセンター前タイムリーヒットを放ち先制。6番浅野文哉の内野ゴロの間に2点目を加えると、磯村に代わってマスクを被る2年生稲田将秀のタイムリー内野安打で3点目を挙げた。一試合を通じて送りバントの失敗も無く、守ってはノーエラー。一般の観客は、やたらと昨年のチームと比較して物足りなさを口にするが、このチーム(この試合)も決して悪くない。
大藤敏行監督は試合を振り返って、「変なミスが今日は無かったですしね。ケガ人ばかりの中で、今まで試合に出たことのない控え選手が、よく頑張ってやってますよね。センバツ甲子園で数をやって(多くの試合を経験して)、バタバタしないというか、チームとしてタフになったというのはあると思います」と、伏兵選手たちが中心となっての勝利を讃えた。
先発の2年生サウスポー浅野は、1回裏、2回裏と続けて走者を2人ずつ出すなど不安定な立ち上がり。それでも、序盤のピンチを切り抜けると、中盤からは徐々に腕が振れて、8四死球(うち死球5)ながら4被安打1失点で完投した。
浅野は「調子が悪い中、どれだけ我慢できるかがカギだった。試合開始当初は上体が突っ込み過ぎていて、ベンチから磯村さんに3,4回くらい大声で指摘された。1試合投げ切れるスタミナをつけることを冬場に意識してきたので、バテずに投げ切れたことは、成長の一つ」と、試合後は安堵の表情を浮かべた。
「自信が無いっていうのか、浅野自身の中でも不安があったんでしょうね。ただ(試合後半の好投で)コツを掴んだような感じも見えました」と、浅野の心理面も含めて大藤監督は分析した。
この日はベンチの中でチームを鼓舞した主将の磯村は、21日からの東海大会にはほぼ間違いなく間に合う見通し。「ケガ人が多い緊急事態でも、勝っていけるということは良かった。(ベストの状態でなくても戦う)いい練習になる、とプラス思考でとらえています」と、チーム全体を見通して語った。
敗れた豊田西は、県内有数の進学校。1998年にはセンバツ甲子園にも出場しており、県内公立高校野球部の筆頭格だ。この日は先発の新美新太郎が、持ち味の90キロ台の変化球を軸に組み立てて 中京大中京 打線をかわそうと試みたが、初回の3失点が痛かった。2番手のサイドスロー中川領は、走者を出しながらも3回2/3を自責点0で抑えた。
負けない強さを見せた 中京大中京 。2日は、上村勇太、芳賀洋亮、小森誠という好投手3人を擁する東邦との決勝戦。くしくも、昨秋県大会決勝と同じ顔合わせとなった。 中京大中京 ・浅野文哉の名が一気に知れ渡ったのは、その東邦との決勝戦(当時1年生)で完封勝利を挙げたからであった。
(文=尾関雄一郎)
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