報徳学園vs神戸北
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山本(神戸北)
143キロ右腕・山本、自信をつけた報徳戦!
2-2の同点で迎えた8回、報徳学園 は1死1,3塁から5番越井勇樹(2年)がライト前へタイムリーを放ち勝ち越しに成功。投げては先発の田村伊知郎(1年)を6回からリリーフした2年生右腕の中尾太一が、 神戸北 の反撃を凌いで準決勝進出を決めた。
神戸北 はエース・山本洋行(3年)もあと一歩及ばなかった。
「負けたのは悔しいけれど、みんなで楽しく野球ができた。夏へ向けての良い経験になりました」と敗戦にも山本の表情は清々しかった。
対戦相手の報徳学園 には特別な思いがある。有馬中の3年生の時、報徳学園 の推薦入試を受ける準備をしていた。しかし直前で経済的な事情から受験をやめることになる。結局地元の県立校である 神戸北 への進学を選んだ。
以来待ち焦がれていた『HOTOKU』のユニフォームとの対戦。完封した1回戦(篠山鳳鳴戦)より調子は良かったという。3回に3番中島一夢(3年)に2点タイムリーを浴びるも、5回までに味方打線が追いついてくれた。
中盤以降、尻上がりに球が走りだすとスライダーやチェンジアップなどの変化球もキレた。「みんなで楽しくやれば勝てる」試合中にそう感じていたというエース。
しかし、悪夢は8回に訪れた。先頭の2番谷康士郎(3年)を内野安打で出塁させる。続く3番中島はこの日最もタイミングが合っていた。警戒していた中島をピッチャーゴロで打ち取った。だがこれでホッとしたのか、4番浦崎裕理(3年)に痛恨の四球を与えてしまった山本。5番越井には直球を弾かれ、ライト前へ運ばれこれが決勝点になった。
「せっかく同点に追いついてくれたのに、1球の甘さを痛感した」という山本はこの時だけ悔しそうな表情を浮かべた。
しかし敗れても次があるのが春の大会。
「直球はいくら速くても打たれるとわかったし、スライダーは使えると自信がついた」と143キロ右腕は前向きだ。もう一度報徳学園 と戦いたいかと問われると、「今度はリベンジしたい」とすぐに答えた山本。袖を通したいと憧れていたユニフォームを相手に投げる喜びをこの1時間59分でさらに見出したようだった。
(文=松倉雄太)
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