明豊(大分)vs鹿児島実業(鹿児島2位)
![](/images/report/zenkoku/20100426001/photo01.jpg)
山野(明豊)
明豊・山野、投げて打って!
明豊エース・山野恭介(3年)。投げる方では4回を1安打無失点、打つ方では2回と3回に2点タイムリーとこの日4打点。投打にわたる活躍でベスト4に進出を決めた。
「(疲労を抑えて)準決勝、決勝と万全で迎えるために」と浜田健次監督が話したこの日の構想。山野は最速147キロの直球を捨てて、コントロールで勝負した。打たせて取るピッチングに終始して4回までの投球数はわずかに49球。指揮官の思惑は当たった。
もう一つ思い描いていたのは、「5点くらい取れれば、投手を代えたいと思っていた」という継投。これに応えたのも山野。2回、体勢を崩されながらもセンター前へ2点タイムリーを放つと、3回には今度はライトへ2点タイムリー。3回までの4得点全てを山野のバットで挙げた。
「バッティングについては奇跡ですね」と山野と浜田監督は声を揃えたが、これで2年生の稲垣翔太にマウンドを譲ることができ、9回には同じ2年生左腕の高尾勇次もマウンドに上がった。
「この九州大会に優勝するための」と浜田監督が話す選手起用。それに応えたエースもまたこの冬で大きく成長している。
その源は昨秋の九州大会。準々決勝で自由ケ丘(福岡)に1点差で敗れた。3季連続の甲子園まであと一歩と迫っての敗戦。それはこのチームの転換点になっている。
「あそこで勝てて、選抜に出ていたら今のチームになっていたかどうかわからない。山野にしても、秋は自分が頑張らなきゃという気持ちだったが、あの負けで周りを信頼して投げられるようになった」と浜田監督は強調した。
甲子園を知る3年生の先輩から知らない1、2年生の後輩への伝承ができつつある明豊。夏に向けての足がかりとすべく、5季ぶりの九州制覇を狙う。
(文=松倉雄太)
[:addclips]
[:report_ad]