中京大中京vs愛産大三河
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岩井川(中京大中京)
延長11回、中京大中京1年生がデッカイサヨナラ2ラン!
昨夏の全国制覇を果たした中京大中京が苦しみながら、延長11回に1年生の谷口君のパックスクリーン左へのサヨナラ2ランで、 愛産大三河 を何とか振り切った。
9回までで何と17残塁で、拙攻と言われても否めない内容だった。勝つには勝ったものの、中京大中京としてはピリッとしないものだった。正二塁手の藤浪君が怪我で戦列を離れているということもあろうが、さすがに大藤敏行監督も辛勝に安堵しながらも渋い表情だった。「内野手が1枚おらんだけで、こうもしっくりいかんのかなぁと思っちゃいますねぇ。まあ、今年のチームは去年とは全然違いますから、試合を重ねながら覚えていかないかんことはいっぱいあります。そういう意味では、公式戦の形で強いチームと戦える東海大会は行かなくてはいかんのです」と、ここまできたらまずは5月の東海大会を見据えている。
序盤にお互いが1点ずつ取り合ったものの、その後は両浅野投手が何とか粘ってそのまま終盤にもつれ込んだ。 愛産大三河 の浅野君はやや荒れ気味で四死球を多く与えながらも、何とか粘りの投球だ。これが、中京大中京の残塁の山にもつながったのかもしれない。
一方、中京大中京の浅野君は柔らかい左腕の2年生投手だが、昨秋の県大会の素晴らしい出来を見ているものとしてはやや物足りなさもあったのは、制球を意識するあまり、却って球を置きにいくような感じになっていたところもあったからかもしれない。
1-1のまま迎えた8回、 愛産大三河 は三番青木君が左中間二塁打すると、内野ゴロの間に三塁に進み、2死三塁から六番戸谷君がしぶとく三遊間を破ってついに均衡を破った。そして、その裏先頭の二番川本君に二塁打されながら後続を抑えただけに、そのまま愛産大三河が逃げ切るのではないかという感じになってきた。
しかし、さすがに中京大中京。あとがない9回1死から七番岩月君がバント安打で出ると、すかさず二塁盗塁。代打小島君は四球となり一二塁。暴投で1死二三塁となると、九番鈴木広君がカウント1-3からスクイズを決めて土壇場で同点とした。さらに、2死三塁で一番小木曽君が打てばサヨナラという場面になったが、ここは 愛産大三河 の浅野君が踏ん張る。
延長に入って、中京大中京は一塁を守っていたエースナンバーの森本君がマウンドに登った。そして、森本君が 愛産大三河 打線を抑えているうちに、10回から守りで三塁に入っていた1年生の谷口君が初打席で大仕事をやってのけたのだった。
愛産大三河 としては、金星を逃した形になってしまったが、1点リードされた3回に失策絡みながらすぐに追いつき、8回はしっかり打って取って逃げ切り態勢まで作ったのは立派といっていいだろう。ただ、留以上のプレーなどに粗さというか、やや粗雑な印象を与えるプレーがあったのはいささか気になった。県内では、いわゆる私学4強に続く、第二勢力軍の中核になってきている存在といってもいいであろう。
(文=手束 仁)
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