県岐阜商業vs土岐商業
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松田(県岐商)
課題探しの春」でも県岐阜商、決勝進出。
岐阜市・長良川球場のネット裏に座ると、三塁スタンド方向の彼方に、岐阜城を見ることができる。
329mの金華山頂にそびえ立つ岐阜城は、織田信長が約10年間居城し、天下統一の拠点としたことで知られる。
名城に見守られるこの球場で、昨夏あと一歩で「天下統一」を逃した県岐阜商(新潟国体では優勝)がこの日、春季県大会決勝進出ならびに東海大会出場を決めた。
試合は3回裏、3番酒井田が左翼タイムリーヒットを放ち、翌4回裏には8番福田が左翼2点タイムリー。藤田監督が「昨年からレギュラーなので、これぐらいやってくれないと困る」と話す2年生コンビの活躍で先制すると、櫻田・松田が相手打線に的を絞らせない投球で失点を1点にとどめた。8回裏には9番松田のスクイズ、1番児玉の右翼タイムリーで試合を決定づけ、5-1で勝利を収めた。
県岐阜商らしい強さを見せた危なげのない一戦だったが、藤田監督はこの春を「課題探しの春」と語る。
「春だから(未熟でも)許されている部分もあるが、夏では許されなくなってくる。戦う中で課題を見つけて、それを確認しあいながら(成長していくことになる)。総合的に強化が必要だが、まずはとれるアウトをきっちりとる、少ないチャンスで勝負強く点をとる、そういったことが大切になる」。
決勝は、昨秋の県大会決勝で大敗を喫した 大垣日大 との対戦に決まった。
「まだウチの力は旧チーム(昨夏甲子園ベスト4)に及ばないが、去年を上回るだけの気力、気持ちで戦ってほしい。(秋に 大垣日大 に3-13で敗れ)選手は悔しい思いを胸にやってきたはず。どれだけの挑戦心を持って向かってくれるか、私も楽しみにしています」と、藤田監督は選手のさらなる奮起に期待を寄せた。
一方、敗れた 土岐商 も引き締まった試合ぶりであった。昨夏もマウンドを経験している先発の左腕前田は、勢いのあるフォームからインステップに踏み込んで投げてくる分、打者にとっては打ちづらいはず。また2番手で投げた2年生の矢田純は、捕手・矢田凌の弟。兄とは違い左利きで投手を務め、体の回転をうまく使ったフォームが印象的。「投げていて楽しかった。前はカーブが武器でしたが、ストレートの球速も上がってきた」とは本人談。この日は2回2失点だったが、ストレートと変化球の投げ分けで、県岐阜商の主軸井貝を三振に、泉田を投手ゴロに切って取った。
春季岐阜県大会は29日に、長良川球場で3位決定戦( 加納 × 土岐商 )、決勝( 大垣日大 ×県岐阜商)が行われる予定。球場から見える岐阜城では、GW期間中、開館時間を夜まで延長して天守閣から夜景を望む「岐阜城パノラマ夜景」が開催される。
(文=尾関雄一郎)
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