試合レポート

健大高崎vs桐生市商

2010.04.23

2010年04月24日　高崎城南

健大高崎vs桐生市商

2010年春季群馬県大会　準々決勝

９回１死から大逆転で健大高崎がベスト４進出

「こいつらの粘りハンパねぇ」
ネット裏に陣取る健大高崎コーチ陣が何度もそう叫ぶほど、劇的な逆転劇だった。

２点をリードされた健大高崎は９回、１死から４番の森山がレフト前安打で出塁。
続く下野が初球を右中間へ運ぶ二塁打で二、三塁と好機を広げた。６番の小池も四球でつないで１死満塁。
ここで桐生市商内野陣は前寄りの守備位置を取った。
前寄りに守ることで、セカンド、ショートは二塁ベースにけん制に入れない。けん制を入れるそぶりもなかったため、二塁走者は悠々と大きなリードを取ることができた。
ここで斉藤が外角のストレートをレフト前へ弾き返して１点差。
なおも８番の森薗が初球の甘いストレートを見逃さず、ライト前へ適時打。さらに９番・北島のセカンドゴロの間に好スタートの斉藤が本塁を突いて一挙４点を奪った。

今春からエースナンバーを背負う北島は味方の拙守から初回に大量５点を奪われたが、その後は粘りの投球。７回以外毎回走者を背負ったが、あと１本を許さず、１４４球で完投勝利を挙げた。

桐生市商は初回、２死三塁からチェンジと思われた４番・小辻のセカンドフライを二塁手の森薗が見失ってラッキーな先制点を挙げると、そこから一気に畳み掛けた。
川守田がサード強襲、川路が投手強襲安打。坂口四球の後、８番の坂本がレフトオーバーの三塁打を放って一挙５点。３、５回にも三塁まで走者を進め、コールド勝ちも見えた展開だったが、併殺などで追加点を奪えなかったのが後半に響いた。

健大高崎は３番の明石、桐生市商は４番の小辻、５番の川守田が一塁駆け抜けで５秒以上を記録。特に小辻は６秒18と走塁への意識の低さが目立った。主力選手こそ、チームを引っ張る意味でも全力疾走、全力プレーを心がけてもらいたい。

【健大高崎・青柳監督】
斉藤、森薗は前の試合でも不調でベンチを外そうか迷ったんですが、最後まで信じてよかった。よく打ってくれました。今年は粘り強いチーム。今日の試合は自信になったと思います。

(文=田尻賢誉)

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